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つくり手の言葉

ねこにミョウバン!?

一気に暑さが和らいで、秋を感じるようになりましたね。

やっと、玄関の小学4年生の靴のニオイも落ち着いてきました。

夏の小学生男子の足はどうしても匂いが気になるものです。

 

先日、子どもの靴の消臭にメチャクチャ効くという消臭・除菌粉をネットで見つけました。

飼ってみようかな?と思ったのですが、ふと立ち止まりました。

原材料は何だろう?

調べてみたら「ミョウバン」でした。

この粉がついたまま、自宅に足を踏み入れたら危険・・・

なぜなら、わが家には愛猫がいるからです。

 

ミョウバンの正体は「硫酸アルミニウムカリウム」という化合物で、昔から漬物をパリッとさせるために使われたり、食品添加物として酸化を防いだりと、生活の中に溶け込んできた存在です。

止血や収れん作用があるため、医療の現場でも役立てられてきた歴史があります。

つまり、人間にとってはなじみ深いものであり、「安全そうに聞こえる」部類に入るわけです。

ただし、猫にとって同じように安全かというと、そう単純ではありません。

ミョウバンに含まれるアルミニウムは、人間では食品添加物レベルの摂取ならまず問題ないとされていますが、猫は体の仕組みが異なります。

慢性的に取り込むと腎臓や神経に負担がかかる可能性があり、決して軽視できる存在ではないのです。

もちろん、靴の消臭に使う程度で即座に中毒になるとは限りません。

でも、「ちょっとだから大丈夫」と油断した結果が、取り返しのつかない事態に繋がってしまう。そんなリスクを感じてしまい、買うのをやめました。

 

人間には身近で口に入れても大丈夫でも、猫にとっては危険なもの沢山あります。

ネギ類やチョコレートは有名ですよね。

人間にとっては美味しいものですが、猫や犬にとっては中毒を引き起こす危険物質です。

ユリの花も人間にとっては癒しの植物ですが、猫が少しでも口にすると腎不全を招く恐れがあります。

さらに、特に最近注意を促されているのが、アロマオイルや、エッセンシャル洗剤や柔軟剤に含まれるカチオン界面活性剤も、除菌消臭剤も種類によっては猫の代謝機能では分解できず、中毒症状を引き起こす例が報告されています。

仮自然由来だったとしても、安全であることは全く別の話なのです。

私たち人間にとって都合のよいものが、猫にとってもそうであるとは限らない。

むしろ「自然だから大丈夫」という油断は、かなりリスキー。

これから新しい家を建てようと考えているご家族、あるいは新しい住まいで猫と暮らしたいと考えている方にとって、こうした日用品や生活のアイテムも「猫にとって本当に安全か」という視点で選ぶことが大切です。

住まいそのものの性能やデザインを整えることはもちろんですが、そこで暮らす家族全員にとって安心できる環境を守るためには、身近な小物や素材に含まれる成分にまで、ほんの少し気を配ることが必要です。

先のミョウバンもインターネットで調べると、水に溶かしたミョウバン水がペットの粗相やトイレの消臭にイイなどの記事が出てたりします。

情報過多なこの時代、ペットについての情報だけでなく、人や暮らしについての情報も、鵜呑みにするのではなく、あらためて自身で安全確認が必要ですね。

 

hiroyuki

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