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つくり手の言葉
秋ですね。
風が強い日は肌寒く感じることも多くなりました。
エアコンをOFFにしていると、室内の温度よりも外気の方が心地よい季節です。
高気密高断熱住宅においても、この時期は窓を開けてOKな季節。
花粉などでお困りでない限りは、窓を大きく開けて心地よい外気を沢山取り入れることで、換気し、お金を掛けずに部屋を快適な状態にできます。
どんどん窓を開けましょう。
さて今日は、換気のお話。
近年、ビデオゲーム(死語?)に対する世間の目はゆるくなりました。
それこそ、私が小学生の頃は、大人から「ファミコンは悪」かのような扱いを受けておりましたが、その我々が大人になったことで、ゲームにおおらかな時代となりました。
一家に1台以上のゲームがあることも多く、お子さん用のNintendo Swichをはじめとし、親御さん用のPS5があったり、PCでゲームしていたりと、多様になってきました。
家づくりの中でも、書斎という名の「ゲーム部屋」を求める、旦那さんのご要望も意外に多かったりします。
抑圧からの解放なのかもしれませんね。
さて、「ゲーム部屋」つくるときに、実際に設計する立場から言うと、見落とされがちなポイントがあります。それが「換気」です
PC、モニター、ゲームハード、など、これらはすべて電気を消費する=熱を発生させる装置です。
特にハイスペックPCや複数モニター環境では、夏場に長時間プレイを続けると、室温が2〜3℃上がることも珍しくありません。
ゲーム部屋は防音や集中のためにドアを閉め切って使うことが多く、熱がこもりやすい状況になりがちです。
例えば、ゲーミングPCなどになると、消費電力は300W/hになることもあります。
つまり、300Wの熱が発生している訳ですからちょっとした暖房器具です。
これを、コンパクトな2~3帖程度の部屋で炊く訳ですから、簡単に室温が上がります。
冬であればいいけれど、夏は・・・
解消するためには、やはり「換気」が必要です。
屋外との換気ではなく、室内の室間の換気です。
先に書いた通り、ゲーム部屋はドアを締め切ることが多いです。
ドアを開けての換気ができないとなると、それ以外の方法を使う必要があります。
壁や天井に通気口を設けて自然循環させる、若しくは機械、つまりファンを利用する。
そのためには、どの程度の熱が発生して、どの程度換気する必要があるかを想定する必要があります。
建物の断熱性能や窓の大きさ、部屋の配置によっては、換気だけでは間に合わず、空調を検討する必要もあるでしょう。
え?ゲーム部屋を快適にしすぎるな!!って、奥様方の声が聞こえてきそうですね。
とは言え、せっかくのこだわりのお部屋。
作るのであれば、ある程度快適にしてあげたいと思います。
「狭い個室だから大丈夫」と考えず、発熱量に応じた換気設計と空調計画を行うことが、快適な“ゲームの書斎”づくりのポイントなのです。
hiroyuki