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つくり手の言葉
風が爽やかな季節になってきました。
日中をご在宅のご家庭は、窓を開けておくと、良い風が入りますね。
もうちょっと温度が下がったら、エアコンの冷房運転が終了になりますかね。
冷房シーズンが終了したら、是非、暖房設定で温度高めで、丸一日運転することで、室内機内部を乾燥させてあげましょう。
さて、今日はキッチンのレンジフードについて。
オースタムの事務所では、ダ〇キンさんのマットやモップを利用しているのですが、今月の交換の際に、チラシを頂きました。
「レンジフードの内部を守るレンジフードフィルターお試しキャンペーン」!!
SNSなどでも、お手軽なお手入れ方法として、レンジフードの給気部分に不織布などのフィルターを後付けする方法、見かけますよね。
ダス〇ンさんも、レンジフードが汚れないように専用のフィルターを提案しているようです。
使い捨てのフィルター、安くて便利という理由で使っていませんか?
でもこの方法、実はちょっとリスキーなんです。
レンジフードは「排気=空気を外へ出す」ためのもの。
だから、「給気=外から室内に空気を取り込む」動きが伴わなければなりません。
この給気が十分でないと、排気がうまく作用せず、排気量が落ちたり、機械に負荷がかかったりします。
貼るタイプの不織布を重ねてフィルターを追加すると、空気の通り道が狭くなるため、給気の抵抗が増え、結果的に給気量が減少します。こうなると、想定した換気性能が出せなくなります。
貼るフィルターの素材によっては、20~30%も給気効率が低下するケースもあるようです。
もう目詰まりしているのと同様ですよね。
揚げ物などしていて、ちゃんと換気できていないとなれば、取り切れなかった油の粒子はキッチンからリビングへ・・・
リビング側の壁紙が汚れやすくなったり、調理のニオイが残りやすかったりと、お掃除手間が大きくなることも。
その目詰まり状態でちゃんと換気しようとすれば、本来、「中」設定で十分な排気も、「強」が必要になることもあり得ます。
電気代アップですね。
更に、大きいリスクが「火災」です。
そもそもレンジフードのフィルターは、不燃性の素材であることが必須。
消防法でも、コンロからレンジフードまでの離隔がガス、IHそれぞれで決まっています。
例えば、前述した不織布のフィルター、これは難燃性・可燃性のものがとても多い。
これをコンロ上に設置しようとすると、火元から1m以上離さなければいけません。
ご自宅のレンジフード、そんなに高い位置にありますか?
ちなみにダスキンさんは「引火しにくい難燃剤を加工したガラス繊維」と強調していますね。
レンジフードはメーカー側が「所定のフィルター仕様、給気設計、風路設計、騒音挙動」などを基に設計しています。
そこへ後から異物(貼る不織布)を加えることは、メーカー保証・製品保証・性能保証を無効にする可能性があります。
また、たとえば強制給排気を前提とする設計であっても、後付けで抵抗が加われば予期しない負荷がモーターやファンにかかる可能性があり、結果的に寿命低下や異常発熱の原因となる恐れもあります。
レンジフードは、汚れた空気を外に排出するもの。
「汚れてなんぼのもんじゃい!」と思って使用されるのが良いですよね。
先々汚れがきになったら、それこそダスキ〇さんに清掃依頼するのが良いですよね。
「日々のお掃除が大変。」ホントそうですよね。
でも、安全はもっと重要。
だから、やってみたい事があったら、まずは住まいを建ててくれた建築会社に聞いてみるってのが良いかと。
hiroyuki