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つくり手の言葉
窓を開けても快適な季節。
自宅の換気のお掃除ランプが点いたので、晴れの日に掃除機とブロアーでメンテナンス。
汚れまくっているフィルターは、汚れを取ってくれている証。
感謝をしつつ作業です。
さて、今日は24時間換気のフィルターについて。
皆さん、お掃除してますか？
2003年以降に建てられた住宅であれば、必ず24時間換気設備が設置されています。
今、家を建てようと考えている方は驚くかもしれませんが、2003年以前は、24時間換気の設置は義務ではありませんでした。
そもそも、「夏を旨とすべし」なんて、吉田兼好の言葉の言葉にならって、風通しの良いスカスカの住まいづくりをしてきた日本ですが、アルミサッシの普及などから、中途半端に気密性が上がります。
追い打ちをかけるように、新建材が台頭したことによって、住宅内にホルムアルデヒドなどの有機化合物が宅内に残留、結果、シックハウス症候群という室内汚染による体調不良が続出しました。
これじゃいかんと、「2時間に1回、家の空気が入れ替わる程度の換気設備を設けなさい！」と建築基準法が改正されたという経緯です。
今となっては、新建材や家具についても、有機化合物の発散量が制限され、安全性も高まりました。
では、安心。と24時間換気のスイッチをOFFにしてはいけません。
せっかく設置してある24時間換気設備、動かし続けてこそ、より快適な居住空間を作ることができます。
というのも、換気したいのは、有機化合物だけではありません。
二酸化炭素や湿気、生活の中で排出される匂いなど、人が生活しているだけで、宅内の空気質は下がっていきます。
花粉症の方は、外の空気こそ汚れているという印象をお持ちになるかもしれません。
でも、家の中の空気も放っておくと、どんどん淀んでいきます。
人は1日に14,400リットル、20ｋｇもの空気を吸っています。（ダイキン工業調べ）
人間が摂取しているモノの83％は空気なんだそうです。食べ物は７％程度。
だから、キレイな空気を摂取することが健康的な暮らしの第一歩なんて話、聞きますよね。
だからこそ、効率的な換気が必要です。
ガンガン入れ替えればいいという訳ではありません。
入れ替え過ぎれば、冷暖房効率も下がってしまいますし、外の埃や花粉も入り過ぎてしまいます。
だから効率的に。
でも、効率的ってムズカシイ。
なぜなら、気密性が必要だから。
家の中の空気を満遍なく入れ替えるためには、空気の通り道を考える必要があります。
入口があって、出口がある。
すべての部屋、空間に対してそうあった上で、家全体として、外とつながる入口と出口がちゃんと必要です。
イメージとしては、ストロー。
入口と、出口だけだから、吸ったらちゃんとジュースが上がってきます。
ストローの途中に切り込みをいれて、気密性を無くしたら・・・
どれだけ吸ってもジュースは口に届きません。
これ、換気も一緒です。
気密性が低い住宅で計画換気したところで、計画通りに空気は動いてくれません。
隙間から外の空気は勝手に入ってくるし、どこかから勝手に出てい行きます。
出入りしやすい所は、ガンガンに入れ替わって、出入りしにくいところは淀む。
空気質だけじゃなく、温度も湿度も管理するどころの話じゃありません。
ただ、「自然と共に暮らせ野生の人よ」って感じです。
ちゃんと気密が取れている住宅だったとしても、24時間換気のフィルターが汚れで詰まっていたら、ご想像通り換気効率どころじゃないですよね。
タピオカジュースを細いストローで飲もうとするようなもの。
せっかく性能の高い家も、使い方を間違えたら、宝の持ち腐れ。
換気量が足りない事で、高断熱窓でも結露が起こったり、水回りやクローゼットでカビが発生したり、部屋干しの洗濯物に匂いが残ったりと、ストレスが溜まるちょっとした嫌がらせ攻撃みたいな症状が出てきます。
だから、しっかりとした性能を求めた家を手にする方であればこそ、24時間換気は停めちゃダメ。
定期的に掃除しなきゃダメ。
って、考えると、第3種換気で各換気口全部を定期的にお掃除するの大変だと思いません？
第1種にして、1カ所掃除すればOKな方が、タイパいいですよね。
もちろん、換気の種類によって、それぞれメリット、デメリットありますが、日々忙しい現代人には、高気密・高断熱の全館空調で第1種換気の仕様が合ってる気がするんだけどなぁ。
夏冬の温湿度も管理しやすいなぁ。
なんて言いつつも、真面目な話、ちゃんと空調計画できる建築会社さんであれば、第3種換気で夏冬どこまでの温湿度まで持っていけるか、数字で教えてくれるはずなので、それはそれでアリですけどね。
とにかく換気は超大事。
ちゃんと掃除するんだよ。
hiroyuki
