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つくり手の言葉
お盆を過ぎても、暑さが落ち着きませんね。
最高気温も更新が続き、名古屋出身の妻からは、「夏が短い」と言われていた栃木の夏も、いつまで続くの…と思ってしまいます。
家造りにおいて、外構を計画する際、しばしばいただくご要望として「BBQがしたい!」という夢ですが、昔ながらの夏開催はほぼ修行みたいな状況になります。
秋〜冬にかけてのイメージになりそうですね。
さて、すてきなお家のお庭と言われると、まず思い浮かぶのが「芝」です。
ただ、どうしても管理にてまが必要ということで、敬遠される方が増えている印象です。
その代わりに、相談されるが「人工芝」。
窓の外に自然っぽい緑はほしいのだけれど、伸びるのを刈ったり、水を上げたりするのは大変。だから、イミテーションで。
確かに、忙しい毎日を過ごす現代人にとって、「芝刈りなんてやってる時間ない!」というのも仕方ないですよね。
近年、人工芝もただの緑ではなく、枯れ色を混ぜてリアルっぽいものが増えてきました。
エクステリア専門店もこぞって提案しているので、これで良いじゃんって思うのも、わかる気がします。
でも、オースタムとしては基本的にご提案していません。
ナゼかって?
実は人工芝って、環境省がリーフレットを作って管理徹底を呼び掛けている代物だからです。
人工芝の多くは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックからできています。
これらは、紫外線や摩耗などにより劣化し、細かくちぎれ飛散します。
皆さんも「マイクロプラスチック」という環境問題を耳にしたことがあるかと思います。
その一因が、人工芝。
マイクロプラスチックとは、5㎜未満まで小さくなったプラスチックのカケラのことです。
これらが飛散することで、河川、海に流出します。
もちろん、人工芝がマイクロプラスチック問題の主な原因とは言えません。
ですが、2019年に行われた神奈川県川崎市における多摩川河口干潟での試料採取調査によると、サンプルとして採取された砂からプラスチック片をより分けたところ・・・
その19%が人工芝の破片であることがわかった。
これ見ちゃうと、安易に勧められないですよね。
もちろん、海外でも同様の問題が起こっていて、
EUでは現在のマイクロプラスチック仕様製品の販売禁止、人工芝については現仕様を2031年に販売禁止となる。
アメリカでは、人工芝に使用されている有機フッ素化合物が自然環境下で分解しにくく、発がん性や免疫機能の低下等の影響がるとして、健康面からこれらを使用した人工芝の販売、設置ができなくなる州・市が出てきている。
yahoo news 人工芝、日米欧でやり玉に 環境汚染や健康被害の懸念 分かれる行政の対応
日本においては、環境省としては、まだマイクロプラスチックの流出防止のキャンペーンを張っている程度ではあるけれども、将来的にはアメリカ、EUに追随するのは目に見えている訳で、そんな中で、今、私たちが提案するべき素材ではない訳です。
でも、設置してしまった方は、下のリーフレットを読んで、しっかりと清掃、折れ始めたら放置せずに交換をしましょうね。
hiroyuki