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つくり手の言葉

2026年の住まいを、ファッショントレンドと価値観から考える

あけましておめでとうございます。
本年もオースタムをよろしくお願いいたします。

さて、年の初めになると、どうしても少し先のことを考えたくなるものです。

住宅建築業界でも、年末から年始にかけて業界紙や専門誌で「2026年はどんな年になるのか」といった特集を目にする機会が増えてきました。

そんな中、年明けにたまたま視聴した、ファッションデザイナー・石川俊介氏のYouTube動画がとても興味深く、語られていた「2026年以降の世相感」は、住宅業界にも十分当てはまるのではないかと感じました。
今回はその考え方をヒントに、今後の住宅トレンドについて少し整理してみたいと思います。


石川氏によれば、トレンドは直線的に変化するのではなく、スパイラル状に移り変わっていくそうです。

タイトからワイドへ、フォーマルからカジュアルへ。
人々の好みは行ったり来たりしながらも、同じ場所をぐるぐる回るのではなく、少しずつ位置を変えながら進んでいく。
そして、その変化の周期はおよそ10年単位。これはファッション業界では、ある種の定説とも言える考え方です。

ただ、石川氏が面白いのは、それを「流行だから」「気分だから」で片付けず、構造として動いているのではないかと捉えている点です。

その大きな振り子として提示されていたのが、
「カソリック的 ⇄ プロテスタント的」 という価値観の対比でした。

もちろん、これはあくまで比喩であり、宗教そのものの話ではありません。
価値観や設計思想の違いを説明するためのフレームとして使われています。


では、その違いを整理してみると、次のようになります。

カソリック的価値観
・装飾的
・豊かさの誇示
・権威やブランドによる価値付け
・グローバル、中央集権的

プロテスタント的価値観
・ストイック
・脱装飾
・原理・機能・思想を重視
・ローカル、分散型

石川氏は、トランプ大統領の台頭以降の世界情勢を踏まえ、これまでの中国を中心とした経済構造から、よりアメリカ的な価値観へと移行していく可能性にも触れていました。

実際、ファッションの世界では、カジュアルやストリート一辺倒だった流れが、徐々にフォーマルやトラッドへと戻りつつあります。

また、物価高の影響もあり、大量生産・大量消費から距離を取り、
「高級か、安物か」という二択ではなく、アフォーダブル(価値に対して適正な価格) という考え方が広がっていくのではないか、という指摘も印象的でした。


この流れ、住宅業界でも同じことが起きているように感じます。

コロナ以降、感度の高いご家族ほど、住宅の「見た目」よりも基本性能に目を向けるようになりました。
高級志向でもなく、安売り競争でもない。
自分たちの暮らしに本当に必要な価値を、冷静に選び取る姿勢です。

誰かに自慢するための家ではなく、
家族の暮らしを真剣に、ストイックに見つめるための家づくり。

その結果として、
大量生産・中央集権的なハウスメーカーではなく、
地域に根ざし、ものづくりの思想が見える地方の工務店に共感してくださる方が増えているのだと感じます。

先ほどの価値観で言えば、これはまさにプロテスタント的な住まい選びと言ってもよいのかもしれません。


動画の後半で、石川氏は
「2026年は、日本のファッション業界にとって良い年になる」
と予測していました。

理由として挙げられていたのは、日本が持つIPやクラフトマンシップ。
それらが、これからの時代に価値として見直されていく、という見立てです。

家づくりも同じです。
職人の手で丁寧につくり上げる地方工務店の暮らしづくり。
そこに、改めて目を向けてもらえる時代が来ているのだと思います。

AIや規格化が進む世の中だからこそ、
「人が考えた意味」そのものが価値になる家づくりを。

そんな姿勢を大切にしながら、これからも一棟一棟向き合っていきたいと思います。


※今回の考察は、ファッションデザイナー・石川俊介氏がYouTube「【激変】ロゴ・ハイテクの終焉!?2026年のトレンドを大予測!次に来るのは〇〇!」の考え方をヒントにしています。
興味のある方は、ぜひご覧ください。

hiroyuki

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