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つくり手の言葉

第3種換気は手ごわいぞ!?

国内の寒波が一旦落ち着いてきたかと思ったら、アメリカではレベルが違う大寒波。

ニューヨークでは、氷点下45℃。

まるで映画『デイ・アフター・トゥモロー』の世界ですね。

負の北極振動なるものが原因らしいですが、その影響が場合によってはあらためてアジアに寒波をもたらす可能性もあるとか。

引き続き、室温管理しっかり行いましょう。

さて、今日は換気の話です。

最近、自社施工以外の建物を見学したり、メンテさせて頂く機会を頂きました。

その多くが第3種換気。

その特徴をじっくりと観察することができました。

そこからわかるのが、

第3種換気って、かなり手ごわいってこと。

まずは換気方式のおさらい。

画像は城東テクノHPより

第1種換気は、住宅内の空気の給気・排気を共に機械で管理します。

国内では、第1種換気機器は全熱交換(温度・湿度を回収する)タイプが主流です。

画像は城東テクノHPより

第2種換気は、給気は機械(ファン)、排気は自然(に押し出す)方式。

住宅にはほとんど使われていません。

画像は城東テクノHPより

第3種はその逆で、

給気は自然給気、排気は機械(ファン)。

壁に給気口があって、排気ファンを回すと引っ張られてそこから外気が入ってくる仕組み。

国内の住宅で、最も使用されている換気方式です。

ただし、

『最も使用されている=使いやすい』わけではありません。

正しい知識を持っていれば持っているほど、
設計者のスキルが試される換気方式だとかんじます。

そもそも換気が有効に働くようにするためには、
気密性がしっかりと保たれている必要があります。

それを確認するには、気密測定するしかないので、そこはどの換気でも大前提。

ここでは、高気密住宅を前提で話を進めます。

第3種換気が「手ごわい」と感じる理由

①局所的な温度差

第3種換気は給気口から外気が直接流入します。

つまり、給気口付近の温度は外気に影響を強く受けるという事。

まずここで、設計者さんの力量によって大きく差が出ます。

こうした工夫が必要です。

空調知識をしっかりと持ち、
引き渡した後の「暮らし方」までイメージがしっかりとなされている設計者さんであれば、この辺りはうまく回避してくれるでしょう。

②湿度管理

以前からブログで書いている通り、
断熱、気密だけでは快適な室内環境は得られません。

特に「湿度」は、人の体感に大きな影響を及ぼします。

第3種換気の場合、外気が直接室内に流入するため、
冬は特に乾燥しやすい。

仮に、

この条件で、外気が室内に流入したとします。

温度1℃、相対湿度50%の空気を、
23℃に暖めたら、相対湿度は何%になるでしょうか?

答えは・・・
約12%

空気が持っている水の量(絶対湿度)は変わりません。

しかし、温度が上がると保持できる水分量が増えるため、
相対的に「水分の割合」が小さくなります。

その結果、相対湿度がさがります。

人の体感は相対湿度の影響が大きいため、
絶対湿度が同じだったとしても、相対湿度が下がると乾燥を強く感じます。

つまり、
直接外気を取り込む換気方式では、湿度管理がとても重要。

この湿度管理をどこまで設計側が見越し、
対策を提示できるかが、快適に暮らせるかどうかの分かれ目になります。

「住まばちょっとは湿度上がります。」なのか、「湿度を上げるために。○○や△△が必要です。場合によっては、◇◇の対応もお願いします。」とまで、事前に伝えてくれるか。

何もせずに暮らすと第3種換気は確実に乾燥します。

設計側の知識が問われる部分です。

③床断熱を採用する設計者が比較的多い

最後の③はちょっとだけ偏見かもしれません。

ただ、体感として
第3種換気+床断熱の組み合わせって多いと感じるんですよね。

もちろん、3種でも基礎断熱にしている建築会社も見かけますし、
床断熱、基礎断熱それぞれにメリット・デメリットがあるため、
どっちが絶対にイイという話ではないのです。

ただ、基礎断熱+床下エアコンの自宅で暮らしている身からすると、
床断熱の建物はどうしても床が冷たく感じてしまいがち。

北海道などの物件を体感させて頂くと、
室温が25~26℃くらいの物件が多く、床面も冷たく感じにくいのですが、
関東圏の物件の場合、想定室温が20~23℃程度が多印象。

室内の空気温度や、壁・天井温度は23℃程度で十分暖かいと感じます。

しかし、直接床に触れる足の裏は、25~26℃あると快適です。

もちろん個人差はあります。

ただ、私が床面温度26℃で裸足になれる状況でも、私の妻は靴下を履いています。

特に女性が足元が「あたたかい」と感じるには、
室温よりも床面が2~3℃温度が高いと理想的ですよね。

第3種換気は「繊細」

こんな理由から、普段第1種換気に慣れていると、
第3種換気ってとってもデリケートな方式だと感じます。

ただし、そこを暮らすご家族がちゃんと理解し、適切に付き合えば快適な住まいにすることは十分可能です。

だからこそ、
第3種換気を提案してくれる建築士さんには、相応の知識と経験を。

「安いから」
「普通これだから」
そんな理由で扱うには、荷が勝ちすぎる代物です。

とは言え、第1種換気だから安心かと言えば、そんなことはありません。
大切なのは「換気」についてちゃんと語ってくれる建築会社を選ぶこと。

ここは、ぜひ大事にしてほしいポイントです。

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※この記事は、オースタムの家づくりに対する考え方の一部をご紹介したものです。

オースタムは、宇都宮市を中心に、
高断熱高気密住宅を「設計・計算・施工」まで一貫して考える工務店です。

株式会社オースタム
鈴木博之
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