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つくり手の言葉
皆さんが苦手な家事は何でしょうか?
料理、洗濯、お掃除。
その裏側には、細かな作業がいくつも積み重なっています。
いわゆる「名もなき家事」も含めると、日常はほぼ家事でできていると言ってもいいかもしれません。
その中には、明確にストレスを感じるものもあれば、
毎回ちょっとだけ抵抗を感じながら続けているものもありますよね。
家事の中でも、意外とストレスになりやすいのが「水仕事」です。
特に冬。
今はどの蛇口からもお湯が出る時代なので、
キッチンのように水栓と作業位置が近い場所では、そこまで冷たさを感じません。
では、お風呂掃除はどうでしょうか?
お湯は使えるけれど、水はねは避けられない。
裸足で浴室に入れば、足元から冷える。
この「ちょっと嫌だな」が積み重なる家事です。
ちなみにこの冬、我が家では小学5年生の息子が
お風呂掃除を担当していました。
誰かに任せたわけではなく、なんとなく始まった習慣です。
いつまで続くかは分かりませんが、親としてはありがたい話です。
ここで一つ、事実として見えてきたことがあります。
彼は、お風呂掃除を「嫌がっていない」。
これは性格ではなく、住環境の影響が大きいと考えています。
冬でも室温は23℃前後。
服装はTシャツと短パンです。
この環境だと、多少水に濡れても問題になりません。
そもそも「寒い」という前提がない。
さらに、温度差が小さい住宅では
浴室の床も冷たくなりにくい。
結果として、
お風呂掃除=嫌な家事にならない。
少し専門的な話をすると、
基礎断熱の住宅では、浴室は建物の断熱ラインの内側に入ります。
そのため、ユニットバスの断熱パックを追加する必要は基本的にありません。
一方、床断熱の場合は床下が外気と同等環境になるため、
浴室の断熱強化が必要になります。
この違いは、実際の体感に直結します。
水仕事に対する抵抗が減ると、もう一つ変化が出ます。
「家事をする場所を選ばなくなる」
一般的には、
冬は暖かい場所、夏は涼しい場所に家事が集まります。
だから洗濯物をたたむのもリビング、というケースが多い。
でも、温度差のない家ではその制約がなくなります。
ちなみに私は、冬でもウォークインクローゼットの床に座って
NETFLIXを見ながら洗濯物をたたむことが多いです。
部屋に「こもる」という感覚ではなく、
通路の途中で作業しているような感覚です。
もう一つ分かりやすい違いがあります。
冬、子供がドアを開けっぱなしにしていたら
普通はこう言いますよね。
「寒くなるから閉めて」
でも我が家では、その必要がありません。
むしろ逆で、開けておいた方が
温度も湿度も均一になります。
だから、閉めてほしくない。
温度差のない暮らしは、
単に「暖かい」「涼しい」だけの話ではありません。
・水仕事の抵抗が減る
・家事の場所に縛られない
・子供を無駄に叱らなくていい
こういった小さなストレスが、日常から少しずつ消えていきます。
一つ一つは些細なことですが、
それが積み重なると、暮らしの質は確実に変わります。
ただ、この価値は
数値やスペックだけでは伝わりません。
実際に暮らしてみて、
初めて実感するものです。
だからこそ、伝えるのが難しい。
それがもどかしいところでもありますけどね。
※この記事は、オースタムの家づくりに対する考え方の一部をご紹介したものです。
株式会社オースタムは、栃木県宇都宮市を中心に、高断熱高気密住宅を設計・計算・施工まで一貫して行う工務店です。
温度だけでなく、湿度や空気の流れまで含めた住環境づくりを大切にしています。
株式会社オースタム
鈴木博之