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つくり手の言葉

レンジフードをあえて連動させないという選択

夏の厳しさは、温度だけではない

7月も中旬になり、気温がかなり上がってきましたね。

30℃を超えてくると、さすがに毎年の夏の厳しさを身体が思い出します。

屋外での作業が中心になる職人さんには、体調を崩さないよう、こまめな休憩と水分補給をお願いしました。

ここから最高気温が40℃近くまで上がる日もあるかと思うと、恐ろしいものです。

以前からお伝えしている通り、日本の夏の厳しさの原因は、温度の高さだけではありません。

湿度が高くなることも、大きな原因のひとつです。

だからこそ、住まいの中では温度だけでなく、湿度への対策も大切になります。

高性能住宅にも、暮らし方のコツがある

今では一般的にも耳にするようになった、高断熱・高気密住宅。

もちろんオースタムでも25年以上取り組んでいますが、住宅性能をより活かすためには、暮らし方にも少しコツが必要です。

しっかりと断熱を計画し、気密測定も行い、第一種換気まで備えてあれば、住宅内の空気はとても管理しやすくなります。

例えば、24時間換気が全熱交換式で、熱交換率90%前後の機器が、きちんと設計・施工されていれば、カタログ数値に近い性能を出すことも可能でしょう。

では、家全体で見たときも、その性能がそのまま活かされているのか。

そう考えると、実は少し話が変わってきます。

家の中では、意外と別の換気もしている

気密性が高く、漏気しにくい家であっても、暮らしの中で住まい手自身が別の換気を行っているからです。

例えば、玄関ドアの開閉。

家から誰も一歩も出ない、というご家庭はほとんどありませんよね。

玄関ドアを開けたり、窓を開けたりすれば、自然と外気は入ってきます。

お風呂に入った後には、湿気を出すために浴室換気扇を回します。

排気するということは、その分どこかから外気が入ってくるということです。

これはトイレの換気扇も同じです。

これらの局所換気は、熱交換器を通るわけではありません。

つまり、外気がそのまま住まいの中に入ってきます。

その中でも強力なのが、レンジフード

その中でも、特に強力なのが、

レンジフードです。

都市ガスがそこまで発達していない栃木県では、近年IHクッキングヒーターが主流になってきている印象があります。

ただ、レンジフードはもともとガスコンロの発熱量や燃焼排気を前提に考えられているため、排気量はかなり大きいです。

強運転にすると、1時間あたり500㎥前後の室内空気が外に出ていきます。

その分、代わりに外気がどこかから入ってきます。

中運転でも300㎥/h以上になる機種は珍しくありません。

トイレの排気に使われる換気扇が50㎥/h程度だとすると、中運転でもトイレ換気扇6台分くらいの換気をしていることになります。

熱交換換気の性能は、局所換気で薄まる

例えば、熱交換換気扇の夏の熱交換率を、

温度交換率 84%
湿度交換率 75%

としましょう。

一日に、

玄関ドアの開閉で15分
浴室換気扇を4時間
トイレ換気扇を合計2時間
レンジフードを中運転で2時間

このように使ったとして、家全体で見た熱交換率を計算してみると、

温度交換率 58%
湿度交換率 50%

くらいまで下がります。

つまり、その分はエアコンなどの空調機器によって、温度と湿度を調整する必要が出てくるということです。

もちろん、24時間換気そのものの性能が高いからこそ、もともとの空調エネルギーは少なくしやすいです。

ただ、無理のない範囲で暮らし方を少し合わせてあげると、さらに使用エネルギーを小さくすることができます。

IHなら、連動を切る選択もある

ここでポイントになるのが、大きな熱損失を生みやすいレンジフードです。

最近のIHクッキングヒーターは、レンジフードと連動している機種が多くあります。

IHを加熱すると、自動でレンジフードが運転する仕組みです。

便利な機能ではあります。

ただ、使い方によっては、少し過剰になる場面もあります。

例えば、コップ1杯のお湯を沸かすだけでもレンジフードが動き、調理機器をOFFにした後も数分間作動し続けることがあります。

これ、IHの場合なら、連動を切ってもいい場面があると思いませんか。

もちろん、油を使う調理、においが強い調理、湯気が多い調理では、レンジフードを使った方がよいです。

ガスコンロの場合は、燃焼排気の問題もあるため、安易に止めるべきではありません。

でも、IHで少量のお湯を沸かすだけ。

軽く温めるだけ。

そういう場面まで、毎回自動で大きな排気をする必要があるかというと、少し考える余地があります。

不要な換気を減らすと、性能は活きやすい

仮に、先ほどの計算でレンジフードの使用時間が半分になったとすると、

温度交換率 64%
湿度交換率 55%

まで変わります。

意外と変わるものですよね。

暮らし方にもよりますが、不必要な局所換気を減らすことで、より快適に、より省エネルギーに暮らすことが可能になります。

高性能住宅は、建物の性能だけで完結するものではありません。

断熱、気密、換気、空調。

そして、実際に暮らしてからの使い方。

それらが合わさって、はじめて本来の性能を発揮します。

物価も光熱費も高くなっている昨今。

せっかく高性能な住まいを検討されるのであれば、建物性能だけでなく、その使い方まできちんと考えられる工務店を選ぶことも大切です。

無理のない範囲で、より快適に、安心して暮らすための設計、施工、そして暮らしてからのアドバイス。

家を建ててからが、暮らしのスタートです。


栃木県 宇都宮市を中心に、高気密・高断熱住宅、全館空調、屋根裏冷房、床下暖房、湿度管理まで考えた住まいづくりを行っています。
株式会社オースタムでは、家を建てる前だけでなく、建てた後の暮らし方まで含めてご提案しています。

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