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つくり手の言葉
本日、クライアント様からのご依頼で、現地調査に伺いました。
その道中、こんな看板を見かけました。
「デザイナーズ住宅」
なんだか雷に打たれたように脳が活性化してしまったので、今日はその話です。
デザイナーズ住宅、デザイナーズハウス、デザイナーズマンション。
意外とよく耳にする言葉かもしれません。
この言葉を聞いて、どんな建物を想像しますか?
デザイン性の高い住宅。
有名な建築家が設計した家。
ほかにはない、オリジナリティの塊のような住まい。
おそらく、多くの方がそんなイメージを持つのではないでしょうか。
でも、私が最初に思ったのは、
「デザイナーって、誰だろう?」
ということでした。
建築家でしょうか。
インテリアコーディネーターでしょうか。
それとも建築士でしょうか。
そもそも「デザイナー」と名乗るだけなら、何か資格が必要なのでしょうか。
デザイナーとは、文字どおりデザインをする人のことです。
私たちオースタムも工務店ですが、構造、空調、間取り、外観、温熱環境、空気の流れなどを社内で検討し、設計しています。
そう考えると、私たちもデザイナーなのでしょうか。
そして、オースタムが設計した住宅も「デザイナーズ住宅」なのでしょうか。
いや、そもそもすべての建物は、誰かが何らかの意図を持って設計しています。
それなら、すべての住宅がデザイナーズ住宅ということになってしまいます。
堂々巡りです。
一般的には、意匠性を強く打ち出した住宅を「デザイナーズ住宅」と呼んでいるのでしょう。
では、住宅における「デザイン」とは何でしょうか。
ChatGPTに聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。
「デザインとは、目的を達成するために、さまざまな条件を整理し、形や仕組みに落とし込むことです。」
分かりやすいですね。
つまり、デザインとは単に見た目を格好よくすることではありません。
住宅であれば、
暮らし方や動線
光や風の入り方
温度・湿度・空気の流れ
構造や耐震性
材料や施工方法
周辺環境との関係
将来の変化やメンテナンス
建築費と維持費
こうした多岐にわたる条件を整理し、一つの建物として形にすることです。
ということは、やはり私たちが普段からやっていることです。
また堂々巡り……。
ここまで考えると、「デザイナーズ住宅」という言葉が、少し陳腐なものに感じられてきます。
もちろん、その言葉を使うこと自体が悪いわけではありません。
ただ、デザイナーズ住宅には公的な基準も、明確な定義もありません。
耐震等級や断熱等級のように、何かを客観的に証明する言葉でもありません。
少し厳しく言えば、
「見た目にこだわっています」
という印象を伝えるための、広告宣伝上の言葉に近いのだと思います。
しかも今は、SNSで施工事例を簡単に確認できる時代です。
その会社が意匠性にどの程度こだわっているのか。
言葉だけではなく、実際にどんな建物をつくっているのか。
写真を見れば、ある程度は伝わってしまいます。
だからこそ、「デザイナーズ住宅」と名乗るのであれば、それ相応の覚悟が必要です。
自らハードルを上げる言葉でもあります。
そう考えると、私たちはあえて「デザイナーズ住宅」という言葉を使わなくてもいいかな、と思います。
オースタムの住宅も、もちろんデザインされています。
ただし、それは見た目だけの話ではありません。
意匠、構造、温熱環境、湿度、空気循環、暮らし方、施工方法、そして建築後の維持管理。
それらをバラバラに考えるのではなく、一つの住まいとして成立させる。
私たちにとってデザインとは、特別な住宅につける呼び名ではなく、住宅をつくるうえで当たり前に行う仕事なのだと思います。
そこで、あらためてChatGPTに、オースタムとデザイナーズ住宅の関係について聞いてみたところ、こんな回答が返ってきました。
「オースタムの住宅づくりに当てはめるなら、建築士が意匠だけでなく、構造、温熱環境、湿度、空気循環、暮らし方、施工までまとめて設計している時点で、当然デザインされた住宅です。ただし、それをあえて『デザイン住宅』と呼ぶと、かえって見た目だけを売りにしているように受け取られるリスクがあります。」
ですよねー。
この記事は、オースタムの家づくりに対する考え方の一部をご紹介したものです。
株式会社オースタムは、栃木県宇都宮市を中心に、高断熱・高気密住宅の設計・計算・施工まで一貫して行う工務店です。
株式会社オースタム
鈴木 博之