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つくり手の言葉

新料金プラン「電化プラス」はお得なのか?

東京電力は、2026年11月1日から、電化住宅向けの料金プラン「くらし上手」を「電化プラス」へリニューアルします。

名称が変わるだけでなく、加入条件と料金体系も見直されます。

弊社で建築したお客様の中にも、「電化上手」「スマートライフ」「くらし上手」を契約しているご家庭があります。

今回は、わが家の2025年の電力使用実績を使って、各料金プランを比較してみました。

わが家をもとにしたシミュレーションなので、同じような暮らし方をされている「Tシャツの家」のオーナー様には、料金プランを選ぶ際の参考になるのではないかと思います。

検証したのは、次の内容です。

「電化プラス」はどのようなプランなのか

電化プラスは、現在の「くらし上手」を引き継ぐ、新しい電化住宅向けプランです。

主な変更点は次のとおりです。

加入には、総容量(入力)1kVA以上のエコキュートなどの蓄熱式機器、またはEV・PHEV用の充電設備を使用していることが条件になります。

電化プラスSの基本料金は10Aにつき506.06円、電力量料金は時間帯にかかわらず一律30.63円/kWhです。

60A契約の場合、基本料金は月額3,036.36円になります。

これに毎月変動する燃料費調整額を加減し、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えたものが電気料金です。

現在「くらし上手」を契約している家庭は、2026年11月1日に対応する電化プラスS・L・Xへ自動的に切り替わります。手続きは必要ありません。

太陽光発電があっても、最適なプランは同じではない

太陽光発電が載っているからといって、必ず電化プラスが有利になるわけではありません。

確認したいのは、次の3点です。

わが家には11kWの太陽光発電がありますが、現在は全量売電です。

発電した電気は自宅で使わず売電しているため、太陽光発電と購入する電気の料金プランは、分けて考える必要があります。

一方、余剰売電で太陽光の電気を自家消費できる家庭では、おひさまエコキュートやEV充電を昼間に動かし、購入する電気を減らせます。

「発電した電気を自宅で使えるか」と「電気を使う時間帯」が、プラン選びのポイントになります。

わが家の2025年実績をChatGPTで検証

わが家の条件は次のとおりです。

1年間の請求書と時間帯別使用量のCSVをChatGPTに読み込ませ、各プランの料金単価に置き換えて計算しました。

料金プラン2025年実績を使った年間比較
電化上手・実際の支払額277,480円
くらし上手S・旧料金での試算約268,000円
電化プラスS約272,000円
スマートライフS夜間使用量をすべて割安時間に入れても約275,000円
従量電灯B・60A約322,000円

燃料費調整額と再エネ賦課金は、2025年の条件を使っています。設備の交換や電気の使い方の変更、ポイントなどは含めていません。

電化プラスは2025年には存在していないため、2025年の使用量に新料金を当てはめた試算です。

わが家の場合、電化プラスSは電化上手より年間約5,000円安くなりました。

一方、スマートライフは、現在の夜間使用量をすべて割安時間に入れても電化プラスより高くなります。

したがって、わが家の現在の使い方を続けるなら、スマートライフを選ぶ料金上のメリットはありません。

電化上手の家庭は、急いで変更しない

わが家の試算では、電化プラスの方が電化上手より年間約5,000円安くなりました。

ただし、この差だけで変更を決めるのは慎重に考えたいところです。

電化上手は2016年3月31日で新規受付を終了しています。一度ほかのプランへ変更すると、電化上手には戻れません。

年間約5,000円は、月額では約400円の差です。今後の設備交換や暮らし方の変化によって、有利なプランが変わることもあります。

電化上手を契約しているオーナー様は、まず現在の契約を継続し、年間の使用量と時間帯別データで比較する。明確な差が確認できた場合に変更を検討する、という順序をおすすめします。

スマートライフは扱いが難しい

スマートライフSは、午前1時から午前6時までが27.86円/kWh、それ以外の時間帯が35.76円/kWhです。

割安時間は、夜間全体ではなく、午前1時から6時までの5時間です。

そのため、「夜にエコキュートを動かしているからスマートライフが安い」とは限りません。

わが家では、23時から翌朝7時までの使用量が年間3,746kWh、全体の約42%でした。

仮に、この夜間使用量のすべてをスマートライフの割安時間に入れて計算しても、年間料金は約275,000円です。

電化プラスは約272,000円なので、この有利な条件でもスマートライフは電化プラスに届きません。

実際には、23時から1時、6時から7時の使用分は割安時間の対象外です。そのため、現在の使い方でのスマートライフ料金は、さらに高くなります。

通常型エコキュートを夜間に運転し、暖房の使用量も夜間に大きくなるわが家でも、電化プラスの方が安いという結果でした。

わが家の年間使用量・60A契約では、スマートライフが電化プラスより安くなる目安は、年間使用量の約45%以上を午前1時から6時に使うことです。

この割合は使用量や契約容量によって変わりますが、わが家に近い暮らし方なら、電化プラスを比較の基準にできます。

割安時間に合わせて給湯やEV充電を集中させるスマートライフに対し、電化プラスは時間帯を気にせず使える点もメリットです。

現在「くらし上手」の家庭はどうするか

現在くらし上手を契約している家庭は、基本的にはそのまま電化プラスへ自動移行する方向で考えます。

わが家の2025年使用量を当てはめると、

となり、年間約4,000円の値上がりです。

これはわが家の使用量での結果で、すべての家庭が同額値上がりするわけではありません。

一方で、電化プラスには、住宅設備修理、EV充電設備の補償、生活かけつけサービスなどが追加されます。サービスには対象設備や補償条件があります。

今回の試算では、スマートライフや従量電灯Bへ変更するよりも、そのまま電化プラスへ移行する方が料金を抑えられました。

わが家に近い使用状況であれば、燃料費調整額の上限を重視する場合を除き、ほかのプランへ積極的に変更する理由は少ないと考えます。

燃料費調整額の高騰が心配なら従量電灯B

わが家の試算では、従量電灯Bは年間約322,000円でした。

電化プラスより約50,000円高くなるため、今回の条件では、従量電灯Bによる料金の節約は期待できません。

ただし、従量電灯Bには、燃料費調整額に上限があります。

スマートライフ、電化上手、電化プラスなどの自由料金プランには、この上限がありません。

原油・LNG・石炭などの燃料価格や為替が大きく変動すると、自由料金プランの燃料費調整額が、従量電灯Bより高くなる可能性があります。

参考として、過去の燃料価格高騰時には、規制料金と自由料金の燃料費調整単価に、1kWhあたり約7.9円の差が生じた月がありました。

この差がわが家の年間使用量で1年間続けば、燃料費調整額だけで約7万円の差になります。こうした高騰が続く場合には、料金の有利・不利が逆転する可能性があります。

従量電灯Bは、普段の安さよりも、燃料価格高騰時の上限を重視したい家庭の選択肢です。

ただし、電気料金全体が固定されるわけではありません。使用量や再エネ賦課金、料金改定によって支払額は変わります。

蓄熱暖房機を使っている電化上手の家庭は配線に注意

電化上手で蓄熱暖房機や電気温水器を使っている住宅では、料金だけでなく、機器の配線方法を確認する必要があります。

電化上手が広く採用されていた時期のオール電化住宅では、蓄熱暖房機などが契約ブレーカーを通らない「1次側」に接続されていることがあります。

電化プラスS/Lは、契約電流や主開閉器の容量をもとに基本料金を決める仕組みです。

蓄熱暖房機などが契約ブレーカーを通らない配線になっている場合、S/Lを適用するために、機器をブレーカーの二次側へ移す配線変更工事が必要になる可能性があります。

工事を行わない場合は、過去1年間の最大需要電力をもとに契約電力を決めるXタイプが適用される可能性があります。

配線変更によって、これまでブレーカーの制限を受けていなかった機器も制限対象になります。給湯と暖房などを同時に使ったときに、容量が不足しないかも確認が必要です。

工事費や基本料金の増加が、プラン変更による節約額を上回ることもあるため、変更前に東京電力と電気工事店へ確認してください。

また、蓄熱暖房機は消費電力量が大きいため、料金プランの見直しとあわせて、エアコンなど高効率な暖房設備への更新も検討したいところです。

エコキュートを交換するときは料金プランも再検討する

エコキュートの交換は、料金プランを見直すタイミングでもあります。

通常型エコキュートを夜間に沸かす場合でも、わが家の試算では、スマートライフより電化プラスの方が安くなりました。

「通常型エコキュートならスマートライフ」とは決められません。家全体の電気の使い方で判断する必要があります。

おひさまエコキュートを採用して昼間に沸かす場合は、太陽光発電の電気を自家消費できるかどうかが重要です。

わが家で検討している通常型エコキュートとおひさまエコキュートの価格差は、約10万円です。

また、給湯に使う電力量が約30%減ると仮定して比較しています。これは家全体の電気使用量が30%減るという意味ではなく、給湯部分の削減を想定したものです。

わが家の太陽光は全量売電なので、昼間に沸かしても太陽光の電気を直接使うことはできません。

そのため、おひさまエコキュートを選ぶメリットは、主に給湯効率の改善による電力使用量の削減です。約10万円の価格差を回収するには、実際に給湯へ使っている電力量の確認が必要です。

余剰売電で太陽光を自家消費できる家庭では、購入する電気を減らす効果も加わります。ただし、その分の売電収入は減るため、購入単価と売電単価の差を含めて比較します。

今回の試算から考える料金プランの方向性

わが家と同じような暮らし方をされているオーナー様に向けて、今回の結果を整理すると、次のようになります。

わが家の現在の使い方では、電化プラスが有力な選択肢でした。ただし、電化上手からの変更は、再加入できないことを踏まえて慎重に判断します。

弊社で建築したお客様については、東京電力の請求明細と「くらしTEPCO web」の使用量データをご用意いただければ、設備構成と使い方を踏まえて、料金プランの方向性を確認できます。

※本記事の金額は、わが家の2025年の使用実績をもとにした試算です。実際の料金は、燃料費調整額、再エネ賦課金、契約容量、使用時間帯、機器の配線状況によって変わります。契約変更前には、東京電力へ適用条件をご確認ください。

参考資料

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