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つくり手の言葉
スギ花粉の季節も終わり、やっと私は花粉症から解放されました。
これから5月、日焼け対策の季節です。
歳と共に、お肌ケアの重要性に気付かされる日々、中年男性向けで何かいい商品あったら教えてください(笑)
さて、今日は床材の話。
住宅を建築するにあたって、よく聞かれる質問のひとつが、
「床材って何がいいんですか?」というもの。
これ、建築会社によって、回答が大きく変わります。
「あーそれ、高気密高断熱・全館空調だったら、とかでしょ?」
と思ったあなた、鋭い!
でも、高性能系でも更に方向性が違います。
例えば、オースタムもそうですが、床下エアコンや屋根裏エアコンなどを利用した全館空調の場合、最小限の暖房エネルギーで、最大限の体感をご提案したいと考えます。
そうすると、最も床が暖かく感じやすい無垢材をご提案するケースが多いかと思います。
これが、温水や電熱線の床暖や基礎蓄熱を利用するケースになってくると、ハイパワーな熱に晒されるため、急激な温度変化でも耐えられるように、床暖対応の合板に突板(数ミリの天然木)を貼ったフローリングを提案することが多いかと。
これら、無垢にしても突板にしても、裸足での体感を考えると塗装はオイル(含侵系塗料)が最も暖かく感じやすいです。
本物であるが故に膨張したり、収縮したり季節によって隙間が出るデメリットがありますが、塗り替えなど長期的なメンテナンスも可能です。
より水に強いとされるウレタン塗装のものの存在するが、塗膜がしっかりとあるため、体感は化粧シートフローリング(表面が木目調プリント)と大差なくなってしまうし、メンテナンスがムズカシくなってしまう為、おススメされることは少ないでしょう。
高気密高断熱系だと、こんな感じ。
逆に、大量生産系の建築会社さんだと、化粧シートフローリングを中心に提案されます。
理由としては、建築当初の見栄えがイイから。
化粧シートは表面が非常に硬いため、傷も入りにくいです。
工事管理もしやすいし、本物ではないが故に膨張や収縮もしません。
引渡しして数年という単位では、最もクレームが起こりにくい材料でしょう。
費用面でも安いのも、選択される理由のひとつですが、傷が入ってしまえば逆に目立つことが多く、長期的に見るとメンテナンスのしようがないのがデメリット。
体感よりも、コスト優先の材料。
もちろん、傷を防いだり、汚れ落としやすくしたりするには磁器タイルや樹脂タイルなどもアリ。
全館空調の住まいだと蓄熱してくれて、じんわり暖かくなってくれる素材ですが、低性能だと、キンキンに冷えて地獄を見るピーキーな素材。
固い素材なので、長く立っているには少し疲れやすいかも。
清掃性とのトレードオフ。
でも、ワンちゃんが居たり、カメちゃんを床に放ったりするご家庭には高評価。
クッションフロアは、安くてガラが色々あって汚れや水を弾くので、良さそうに見えるけれど、寿命が短いので、後でお金かかることが多いかなぁ。
モルタル仕上げのお宅もかっこいいけど、断熱性能が低いと恐ろしいほどに冷たくなるので、危険です。
今回、バラバラと思いつくままに書きましたが、結局のところ、どんな暮らしを求めるかによって床材が変わってきます。
快適な住環境を優先するのであれば、それを引き立たせる素材。
そうでなければ、より住環境が悪くなりにくい素材。
誰と暮らすかでも、求める素材の質は変わるでしょう。
床材ひとつとっても、それは家づくりの部品でしかありません。
その部品は暮らしのためにあるものですから、「どう暮らすか」という思いの元、選択するのが良いですよね。
また、どちらにしても大きな費用をかける住まい、あとから更に大きなコストがかかりにくい材料選定をしたいものです。
住宅は、建てたら終わりではありません。
住み続けるためには、大なり小なりメンテナンスが必要になります。
メンテナンスコストがかかり過ぎたり、メンテナンスのしようが無くなると、建て替えという選択肢を迫られます。
ひと昔前のように、住まいを何度も立て替えられる時代はとうの昔に終わりました。
だからこそ、愛し続けられる住まいであることが重要です。
そのために、どんな素材を使う事がご家族のこれからの暮らしに合っているか、
是非、建築会社さんとじっくり話してみてみてくださいね。
hiroyuki