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つくり手の言葉
5月にして外気温は日中30℃越え、湿度も高くなってきて、気温が下がる時間帯には、少しべたつきを感じるような気候になりました。
エアコンをONにするか、通風で対応するか、非常に悩ましいですね。
数年前まで、この悩み、数年前までは半月ほど後に起こるものだった気がしますが、
年々、夏の割合が増えることで、早まってる気がします。
そんなタイミングですので、夏本番になる前に、エアコンの試運転を兼ねて今の時期に動かしてみるってのは、大事です。
是非、お試しください。
さて今日は、住宅のインテリアについて。
家づくりを考えた時に、床材や壁紙、造作などをスタイリングすることを想像すると、とってもワクワクしますよね。
カタログ帖、サンプルを見ていると、素敵なものが多くて、アレもコレも良くて迷ってしまいます。
SNSなどでも、コレを使ったら安くお洒落にできたなど、情報もたくさん。
せっかく家を建てるのであれば、やりたいこと全部詰め込まないとモッタイナイという気持ちになるのが人情というもの。
住まいにかけるその気持ち、とっても大事です。
で、そのまま全部詰め込むと、過半数の方の住まいは、「客観的」に観た時に素敵な印象になりません。
ここで言うのは、あくまでも「客観的」に観た場合の話です。
ご自身で、好きなものを好きなだけ採用することで、ご本人にとっては、嬉しい空間になることは間違いありません。
ただ、そこに統一感がないと、チグハグは印象が出やすいです。
例えば、洋服のようにその場で色や形を合わせてコーディネートするのであれば、合う、合わないを判断するのは簡単です。
しかし、住宅の場合、その空間を事前に再現することは、非常に難しいです。
仮にCGパースを使ったとしても、まったく同じ空間を作る事は困難です。
そのため、コーディネートをまとめる為には、下のAかB、どちらかの方式に集約されます。
まずはA方式「テーマを決める」。
テーマと言うと、テーマカラーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「白を基調に」とか、「グレーをベースにアクセントを・・・」なんて会話、ありそうですよね。
ベースカラーを決める。これも一つのテーマです。
しかし、テーマって言いかえると、「キーワード」でもいいんです。
つまり、「70年代」でもいいし、「海」でもいい。
「鉄」でもいいし「姫」でもいい。
住空間を作り上げるにあたって、大きな大前提のコンセプトをぶち上げておく。
常にそれを念頭に置きながら、考えるとあら不思議、迷子になりにくいです。
判断基準をひとつ置いておくと、無数とも思える選択肢に筋道をつけやすいので、安心感が増します。
「テーマなんて思いつかないよ!」って方は、B方式。
B方式は、「とにかくシンプルに」。
せっかくの家づくりなのに、モッタイナイなどと思ってはいけません。
大多数の人から見て素敵な空間とは、清潔感があって、まとまりのある空間です。
アレもコレもと雑然としてしまう事で、バラバラと色んなものが目に入る。
例えば、キッチンにこだわったとしても、そこには目線が行かず・・・
家づくりにこだわりのない人なんていません。
だからこそ、インテリアはシンプルに、こだわった空間づくりや造作などをに目が行くようにしましょう。
テーマを固められない方で、アリがちなのが、「とりあえず何か使いたい・・」。
結果、あまりこだわりでもない、安っぽい素材をアクセントにしてしまい、悪目立ちするなんてことも。
「とにかくシンプルに」とテーマを縛ってしまう事で、この後の工程を更にラクにしましょう。
さて、どちらの方式を選んだとしても、住まいをデザインするには、まだ途中。
完成見学会のあまりにもスッキリとした空間。
弊社でも、ご案内していますが、あれは幻想です。
言い過ぎました、完成前の状態です。
完成するのは、引越して家具や自前の持ち物が持ち込まれた後です。
ご家族が新築に持ち込むもの、そこにこそ沢山の個性が生まれてきます。
もちろん、これまで使っていたモノ達ですから、色も柄もコンセプトに合っているものばかりではないでしょう。
でも、新しい暮らしに真似きれるものは、好きなモノや必要なモノ。
既にあたなの好みが選別されています。
そんなコマゴマとしたものが、必ず住宅に配置される訳です。
テーマが決められるくらい好きなものがある方は、それを前面に押し出せば、バランスとりやすいですよね。
逆に、テーマが決めきれない方は、箱がシンプルな状態であるからこそ、モノが入ったときに、落とし込みやすいです。
もちろん、家全体のバランス調整を、ご家族だけで行うのは至難の業。
そこは是非、設計者に相談しながらチューニングしてください。
設計者は、相談するために居るんですから。
だからこそ、建築業者選びの段階で、フィーリングが合うかって、メチャクチャ大事なんですよね。
もちろん、会社のトーンもありますが、誰が担当になるかでガチャすることもあり得ます。
そういう意味では、小さな工務店は、誰が担当になるかわかっているのでオススメですよ~。
なんて、自社アピールをしつつ、今日は締めたいと思います。
hiroyuki