menu background

BLOG

つくり手の言葉

樹脂サッシなら結露はおこらない!?(追記編)

4月も半分が過ぎ、一気に暖かくなりましたね。

もう、屋外と室内の温度差も小さくなり、弱小窓の住宅であっても結露とおさらばできる季節になりました。

さて、その結露、以前書いたブログ、「樹脂サッシなら結露は起こらない!?」について、

「樹脂サッシならペアガラスでも結露しないと、打合せ中の工務店さんに言われたけど、どうなの?」というご質問を頂いたので、補足回答していきたいと思います。

「また結露の話題か」と思われるかもしれませんが、夏になる前に書いておかないと、完全に季節外れになってしまうので、今のうちに書かせてね。

さて、おさらいですが、結露を起こす要素は、室温、室内湿度、ガラス表面温度の3つです。

ガラス表面温度が室内空気の露点温度に達していれば、水蒸気が水(結露)となります。

それは、物理現象なので、要素がそろえば起こります。

前回、トリプルガラスの樹脂サッシでも、カーテンで完全遮蔽した状態だと結露が起こる可能性を示唆しました。

これは、窓をカーテンで覆う事で、窓表面に部屋の暖かさが届かず、冷やされ続けていきます。結果、表面温度が下がるため、結露を引き起こしやすくなるという理屈です。

逆に言えば、要素がそろわなければ、起こらないのです。

例えば、室温や湿度が低い場合です。

話題に出た、樹脂サッシペアガラスを例に出してみます。

湿度50%で、一番左側が室温、一番右側が結露を起こす外気温を表します。

そうすると、室温が23℃あると、外気温-1.4℃で結露が始まるという事。

室温20℃でも、外気温-3.9℃が限界値です。

湿度を35%まで下げてみましょう。

一気に外気温の限界値に余裕が出ました。

室内の湿度が低ければ、そもそも結露リスクは大幅に低減できるという事です。

この湿度、エアコン暖房の住宅であれば、簡単に作り出せるカラカラの環境です。

ただ、この温湿が果たして快適と言えるかどうかは、ご想像にお任せします。

10年前くらいまでの全館空調は、想定室温を20℃想定し、湿度については検討していないケースが殆どでした。

そのため地域によっては、ペアガラスであっても、十分に「結露しない」という表現を使用できました。

しかし、現行の家づくりにおいて、快適性を重視した場合に、「暖かければそれで充分!」と割り切れるでしょうか。

お客様自身が、快適な暮らしを自主的に学べるこの時代、冬に室温が高くても、湿度が低いと健康リスクがあることは、広く知られています。

「ペアガラスで十分!」と言い切るためには、

冬でも氷点下にならない建築地か、

室温設定が低いか、

湿度対策をしていないか、

という事が考えられるのではないでしょうか。

とにかく、宇都宮近辺でペアは厳しいですよねぇ。

もちろん、建物南面のみという事であれば、結露しても日中の日射で乾くでしょう。

全面はキビシイかと。

物理現象なので・・・

さて、これで心置きなく結露ネタから離れられます。

hiroyuki

Homeつくり手の言葉 樹脂サッシなら結露はおこらない!?(追記編)