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つくり手の言葉
今年は気候が極端ですね。
寒さが和らいだかと思ったら、汗ばむような日差し。
やはり気候変動の影響が大きくなりつつあるのでしょうか。
家のシェルターとしての役目が更に重要になりますね。
さて、今日はそんな断熱の話。
2021年4月より住宅新築の契約をする際に、その建物の断熱性能が「省エネ基準を満たしているか?」の説明が義務付けられました。
もちろん、HEAT20G2提案をしているオースタムとて同じで、「こういう数値だから適合してますよ。」とUa値の確認をしてもらい、確認書面に記名頂きます。
ちなみに、この説明義務、施主が不要と意思表示をした場合、やらなくていいことになっているようです。
説明不要の同意書もらう方が大変だとは思うけれど、まだ適合できない建築会社はそうするしかないのです。
この説明義務、2025年の省エネ基準適合義務化に向けての準備措置。
つまり、今の段階で省エネ基準に適合していないと、2年後には既存不適格建築物。
既存不適格とは、法令の改正により基準に合わなくなる事です。
2023年4月から、フラット35の借り入れ条件に省エネ基準(断熱等級4)適合が義務化されます。
これにより、住宅の断熱の最低ラインがやっとほぼ固まってと言っていいでしょう。
「今どき、省エネ基準くらいは楽勝でしょ。」と思われたアナタ。
実は国交省のロードマップは2025年で終わりではありません。
もちろんその先を見ています。
次のタイミングは2030年。
2021年8月に出された、国交省、経産省、環境省の三省合同の在り方検討会にて公表された、「脱炭素社会へのロードマップ」を見てみてると住宅に関して、
遅くとも2030年までに義務化基準をZEHレベル(強化外皮基準&BEI=0.8)に引き上げ
との表記がなされています。
つまり、7年後には建築基準法における、住宅の断熱基準の最低ラインが更に引きあがるという事です。
今から家建てるのに、ZEHレベル=断熱等級5(宇都宮の場合Ua値0.6)を下回っていると、10年しないうちに既存不適格建築物になる可能性があるという事。
正直、今年のカーボンニュートラルに向けた補助金の状況などを見ると、三省の本気度が垣間見えます。
今後も住宅の断熱性能底上げは、着実に行われていくでしょう。
もちろん既存不適格建築物になったからと言って、直ちに違法性が発生する訳ではありません。
ただ、問題になるのは確認申請を必要とするようなリフォームや増改築を行う場合です。
確認申請を伴う増築を行う場合、不適格となった既存部分も是正される必要があります。
つまり、断熱性能が足りない場合、「断熱リフォームも必ずやってね」ってことになります。
もちろん、住む人の健康を考えるなら、やった方がいいに決まっているのですが、増築が目的です。
そこに、リフォームとしての断熱コストを考えなくてはなりません。
つまり、自分の家にも拘らず、やりたいことに制限がかかるかもしれないという事です。
現行法ギリギリを狙うより、先を見据えて家づくりした方が良くないですか?
というか、先を見据えて家づくりするなら、高齢になってからも健康的な暮らしができるレベルにしませんか?
という事は、HEAT20G2くらいの断熱性能が必要だと思いませんか?
ちょっと押しつけが甚だしかったですね。
法ギリギリってのはそういう事。
断熱でも、耐震でも同じです。
家は自然の驚異から人間を守るシェルターです。
暑さ、寒さから、ちゃんと家族を守って、健康的な暮らしをしたいものですね。
hiroyuki