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つくり手の言葉
先日、ママのかわりに息子氏の習い事の送迎に行った時のこと。
普段は後部座席が定位置の彼を助手席に乗せました。
シフトレバー周りにあるロータリーパッド(ダイヤルスイッチ)で音楽を選んでいたら一言、
「この車は、ハイテクだ・・・」
ちょっと驚きました。
私の世代だと、ダイヤル、スイッチにはじまって、そこからタッチパネルが出てきた世代。
液晶タッチで操作することがハイテクで、物理スイッチは過去のもの。
(実際、私の車のディスプレイはタッチパネル仕様ではなく、マイナーチェンジ後にタッチパネル化しました。)
それが、彼にとっては、液晶タッチパネルなんて生まれた時から身の回りにあふれているので、そんなものには1㎜も価値を感じません。
当たり前。
だから彼の眼には、ちょっと違う物理ボタン操作が、ハイテク(素敵)に写ったようです。
同年代の方には、「まだタッチじゃないの?これだから伊は・・・」と言われる仕様が、真逆の価値となります。
これ、家づくりにもよく言えることではないでしょうか。
違う世代からのアドバイス。
流石に、断熱にこだわることを否定する方は、世の流れで淘汰されつつありますが、その欠片はあちこちにあります。
「子供部屋が北側なんて・・・」
「子供部屋がこの大きさじゃ可哀そう。」
「こんな派手なタイル・・・」
「床材に節があるなんて・・・」
「タイルになさい。モルタルなんて・・・」
「ハウスメーカーにしなさい!、ハウスメーカーに・・・」
やっぱり多いのは、
①子供部屋のこと。
②材料のこと。
③建築会社のこと。
生きてきた年代が違うと、当たり前が全然違う。
暮らし方、製品技術、家づくりする家族の意識、すべてが変わっていくのだから、価値も変っていく。
家を誰に依頼するか?だって、昔は大工に直接「お願い」していた。
ハウスメーカーが知名度を高めると、それ中心になる。
今や、その当たり前が当たり前と感じないご家族が、工務店に絞って検討をしている。
自身が通ってきたこれまでが、価値観を決めるのだから、それは大事にしなきゃいけない。
世代が違う方からのアドバイスは、その価値観に差があることを理解しながら受け止める。
建築会社の担当さんという、バランスが中間の立場の人に話してみて、ポイント整理するのも良いでしょう。
先日オーナーさんと話をしていた時に、「親に言われたから子供部屋広くしたけど、特に必要はなかったかも。」というお言葉を聞いて、ふと書きたくなってしまいました。
自分たちで決められるからこそ、ナゼそうするのか、ひとつひとつ丁寧に。
焦らずに打合せ進めましょうね。
hiroyuki