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つくり手の言葉
先週、住宅空調講座の卒業検定を無事クリアし、晴れて、講座修了者となりました。
当日、合格者に渡される終了証が、私の分だけ印刷を忘れられるというトラブルはあったものの、後日、岐阜の名産品と共に郵送していただき、こちらも手に入れる事が出来ました。
学んだ事をしっかりと今後のご提案に発揮していきたいと思います。
お楽しみに。
さて、今日はせっかくなので、換気の種類について解説を。
24時間換気が義務化されて以来、住宅建築に当たっては、2時間1回、家の中の空気が入れ替わる量の換気を行う為の設備機器の設置が必要となりました。
一般的なところでいうと、第1種換気と第3種換気が良く知られているところだと思います。
あらためて簡単に説明すると、
第1種換気は、家の中に入れる空気と、家の外に吐き出す空気、それぞれを機械によって管理する方法。
第3種換気は、家の外に吐き出す空気を機械で管理し、吸い込み側は壁に穴をあけておくだけ。
どちらも、住宅の気密性が確保されていなければ、正直意味をなさないので、ちゃんとした換気計画を行いたければ、最低でもC値 1.0㎝/㎝2、理想的には、0.5㎝/㎝2くらいの気密処理が必要です。
どっちがイイか?って話に良くなるのですが、どちらにもメリットデメリットが存在します。
第1種換気のメリットは、熱交換換気を取り入れやすいこと。
家の外から空気を入れる時に、冬、直接寒い空気を入れたら、室温が下がってしまいます。
そのため、排気の熱を給気側に移すことで、ちょっと暖かくなって空気が入ってくるって寸法です。
夏はその逆、少し冷たくなって入ってきます。
また、「全熱交換」という仕様にすると、温度としての熱交換と共に湿度の交換も行うため、宅内の湿度管理がしやすくなります。
デメリットとしては、ダクトを多用する施工方法が多いため、基本知識が足りないと、温度が均一にならないとか、ダクトの中にカビが生えるとか、あとからメンテナンスできないとか、色んな問題が出るケースがあります。
また、施工方法によっては、費用が大きくなるケースがあるため注意が必要です。
第3種換気のメリットは、シンプルという事。
排気のみにファンを利用するため、施工費用が大きくなることは少ないです。
ファンと穴という組み合わせなので、施工そのものでミスが起こることも、あまりありません。
ただ、シンプルが故にデメリットも多く、
生活空間に直接冬の冷気や夏の暖気が入ってくるため、設置計画をしっかり行わないと、局所的に寒い、暑いといったことが起こりえます。
3種換気で最も多いクレームはこれかもしれませんね。
結果、換気口を閉じてしまうなんて話をよく聞きます。
また、夏も冬も直接外の空気が入ってくるため、宅内の湿度管理に手間を割く必要があります。
冬は加湿を、夏は除湿を、熱交換仕様を採用できる1種換気に比べ、かなり大量に行う必要があるため、別途、除加湿器の設置が必要になるケースも多いです。
設計段階で、建築会社にしっかりとシュミレーションをしてもらう事が大事です。
どのような換気方法をとるにしても、設計・施工それぞれがしっかりと行われることが、絶対条件。
どちらにもメリットがあり、デメリットがあります。
よく、電力消費量を基準に比較して、元を取れる取れないで語られがちですが、ポイントはそこではないと私は思います。
大事なのは暮らし方。
「とにかく家事ラクにズボラな暮らしをしたい!」のであれば、第1種換気を選択する方が良いでしょう。
余計な加湿器や除湿器のお手入れもなくて済みますし、換気フィルターのおそうじ箇所も1カ所で済みます。
多少お手入れに手間を掛けても、シンプルな機器を検討されたい方は、第3種。
除湿や加湿のために、家電のお世話になるケースが多いでしょうし、換気口のおそうじは穴の数だけ必要です。
でも、しっかりと特徴を理解しておけば、
僕は、とにかく家事ラクしたいので、第1種換気を熱交換仕様でご提案したい派。
あらためて言いますが、どんな換気方法を使うにしろ、気密性が確保できていることが最低限なので、気密測定必須です。
これなしに、どの換気を選ぶとか、意味ないですよ。
ま、換気選ぶところまで検討されているのであれば、断熱は言わずもがなですねぇ。
hiroyuki