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つくり手の言葉
やっと暑さが和らいできましたね。
まだ湿度が残っているので、外での作業で油断はできませんが、秋の気配を感じられてうれしい限りです。
とは言え、台風シーズンは真っ盛り、樋やバルコニーの排水がちゃんとできているか、チェックしましょうね。
さてさて今日は、バルコニーについて。
先日も築16年のオーナー様宅の定期点検にてバルコニーの防水チェックをした際に、一部「浮き」を確認いたしました。
オースタムの当時のバルコニー防水仕上げは「シート防水」なので、厚さがあり、表面の傷などには非常に強いのですが、紫外線による経年変化により、徐々に縮みが発生します。
すると、隅角部などを叩いてみると、すこーし浮いているのが分かったりします。
このまま放っておくと、より縮んで剥がれの元になるため、紫外線防止のトップコートを塗布して、縮みを抑制してあげます。
FRP防水でも、対応はほとんど同じで、新築時のトップコートが劣化してくると、剥がれて粉を吹いたようになります。
そのまま放置すると、摩耗、退色、ひび割れと進行していきます。
FRPの場合、塗装のため防水層が薄いので、より早め早めの対処が必要です。
バルコニーは、屋根や外壁と違い、ほぼ平らな場所です。
雨が降った時に、屋根や外壁は確度があるので水が流れやすいのですが、平らな場所では水が留まりやすく、防水が切れていたら侵入を許しやすいというのは、イメージの通りです。
だから、定期的なメンテナンスが必須となります。
と考えた、バルコニーって、どのくらいの利用頻度でしょうか?
オースタムのTシャツの家オーナー様でバルコニーを設置された方の使用頻度を聞いてみると、普段の洗濯物は部屋干しをされている方が多く、思ったよりも使ってなかったりします。
特に、奥行きが90㎝程度のバルコニーの場合、その傾向が高いです。
実は私の家もこのカタチ。
もちろん、あればあったで布団を干したりしているのですが、仮に10年ごとにメンテナンス費用をかけるとして、その価値に見合うかと考えると・・・
と考え、約10年前から、当たり前にバルコニーを付ける設計を止めました。
近年、この考え方が家づくりをされるご家族のなかでも常識になりつつあるようで、特に若い方には同意して頂ける事が非常に多いです。
ただ、バルコニーは絶対的なリスクという訳ではありません。
2階から、花火や山々の景色が望められたり、敷地の都合でお庭が取れなかったりといった状況があった場合、ゆったりとしたバルコニーで価値ある時間を過ごすという選択肢はありだと思います。
メンテナンスコストに負けないだけの価値を生み出せるがどうかが、大事ですよね。
そんな時には金属防水を利用すれば、強度も高く、屋上緑化なんかもできる止水性を持たせることもできるので、おススメ。
家を建てるにあたり、一般的についていると思われるけれど、それ本当に必要?って感じるものって、結構あります。
バルコニー、勝手口、シャッター、シーリングライト、WiFiを利用した給湯やエアコン操作、などなど。
こんなのが標準で付いてる家に限って、気密断熱甘かったりして・・・
本当に大事なのは、自身の暮らしに必要かどうか。
だから、家づくりをするときに、仕様や間取りから考えちゃいけない。
どんな暮らしをしたいのか、イメージすること。
その暮らしに必要だったら、優秀な建築士がカタチにしてくれます。
hiryouki