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つくり手の言葉
太陽燦燦、夏真っ盛り。
これだけ太陽光が降り注いでいると、さぞ太陽光は発電している事と思ってしまいますが、実は太陽光パネルは高温が苦手。
なので、時間単位の発電量だと実は春、秋の方が有利だったりします。
とか、太陽光発電にまつわる解説は色々していますが、先日お会いした方と太陽光談義になった際、「太陽光発電の闇」というワードが出てきたので、その内容と私がどう感じたかを今日は書いていこうと思います。
まずは、オースタムの太陽光発電システム設置に対するスタンスですが、「基本的には付けられるなら付けた方がイイ。」です。
気を付けたいのが、太陽光発電設置予算を住宅建築予算と考えて欲しくないという事。
太陽光発電を設置したからと言って、快適な暮らしになる訳でも、豊かな暮らしになる訳でもありません。
まずは、豊かな暮らしの場としての家づくりをした上で、先々のエネルギーコスト上昇に向けたリスクヘッジとして、投資として設置を検討して頂きたい。
だから、家づくりと投資の予算は完全に別で考えてねってお伝えしています。
さて、ではここからが本題。
先日お話させて頂いた方からお伝え頂いた「太陽光発電の闇」について。
その方の仰る内容を要約すると、
太陽光発電システムの要であるパネル、知られていない話だが、これらを作るためには非常に大きなエネルギーコストが掛かっている。
これは設置後発電するコストを越えている。
だから、このシステム自体がまったくもってエコではない。
また設置後、売電期間が過ぎた後、ゴミとなったパネルの処分方法が確立していない為、更なる環境問題に発達する。
だからこそ、私は住宅に太陽光発電を設置するべきではないと考えている。
という事でした。
確かに聞いた事のある問題がキーワードとして入っていますね。
皆さんはどんな印象を持たれたでしょうか。
2022年7月現在の私が考えるところとして、この内容には私と立場の違いからくる誤解が含まれているように思います。
これを大きく2つのポイントに分けて考えてみます。
①エネルギーコストとエコ
実際に太陽光パネルの製造にどれだけのエネルギーが使用され、CO2が出ているか、私が不勉強なのではっきりわかりません。
ただ、「製造しない」のであれば、「製造する」に対してエネルギーもCO2も発生しません。
だから、太陽光発電を選択しないという事もエコロジーで環境に優しいのは間違いありません。
ただ目下問題なのは、人間が生きていく上で必ずエネルギーを消費してしまうという事。
石油でも電気でも消費せずには生きていけないのが現状です。
そして、その必ず必要なエネルギーコストが高騰しているということ。
それが、私たち消費者の最も大きな問題です。
つまり、問題の焦点が「エコロジー」か「エコノミー」かという事なのだと思います。
使わねばならないエネルギーをできる限り省コストで使えるようにしたい。
その経済性という意味では、太陽光には価値があるのです。
エコロジー的に極論を言ってしまえば、戸建て住宅を建てるという行為自体が・・・
共同住宅にする方が、生涯エネルギーコストは確実に小さくなります。
「戸建て注文住宅を建てていて何言ってんだ!」
と言われそうですが、事実です。
だからこそ、考えて考えて建てた方がイイ。
無暗やたらにすべての家族が戸建てであるべきとは思いません。
②売電期間が過ぎたらゴミ問題
これは「野立て」と「戸建て」でのイメージがごちゃ混ぜになっているようです。
まず、実際に大きな問題になっているのは「野立て」。
街中や山の中を車で走っていて見かける、地面や斜面に設置されている太陽光。
山を切り開いてまで設置してるのを見かけますよね。
これが問題の元。
10kw以上の太陽光発電の売電金額固定期間は20年。
20年越えたら、売電金額は大幅に減少します。
収益がメンテナンスコストを下回ったら、もう意味がなくなります。
不良債権化した場合は処分したいでしょうし、最悪、ノーメンテ放置です。
これ、起こりうる環境問題です。
では、「戸建て」の場合はと言うと、固定買取期間が過ぎたとしても、太陽光発電が載っている建物では電気使い続けますよね?
電気代が高くなればなるほど、自家消費する事にメリットが生まれます。
なので「野立て」のように、固定買取期間=寿命 ではないんです。
太陽光パネル自体、時間が経てば多少発電効率は下がります。
でも、遠くの発電所から送電ロスがありながら送らてくる電気より、十分エコノミーではないでしょうか。
もちろん、建てる地域や暮らし方など、条件が合う合わないがあるので、都度検討は必要ですよ。
太陽光発電システムも住宅と同じで、どの角度から見るかによって意味も価値も変わってしまいます。
だから、だれかれ構わず設置した方がイイ訳ではありません。
もちろん、最初に書いた通り、太陽光設置のために住環境性能や耐震性を下げるなんて、もっての外。
その家で暮らすことの本質に立ち返りましょうね。
この話って、色々な考え方があるので、異論、反論あると思います。
あくまでも、「私、そしてオースタムは今、こう考えているよ」という話です。
hiroyuki