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つくり手の言葉
先日のTシャツの家。完成見学会にご参加頂いた皆様、寒い中お越しいただきありがとうございました。
2日目は雪も降り、体感するにはこれ以上ないタイミングとなりました。
今月、15日、16日は小金井にて、断熱構造見学会を開催します。
あたたかく、すずしい暮らしを作りだす壁の裏側をご案内いたします。
是非ご参加ください。
さて、今日の本題、
実は、先の見学会においても、複数の来場者さんから同様のお話を聞きました。
それが、「建築会社と話が通じない」件。
近年、快適な暮らしに重きをおいた住まいを建てたいと考えるご家族は、「これでもか!」と住まいに関する情報を調べられています。
家づくりについて、本気で取り組みたい方が増えて嬉しい反面、皆さん不安な思いをされているようです。
というのも、お題の通り、「建築会社と話が通じない」ことが沢山あるのだそうです。
例えば、商品としての知識はたくさん持っていて、キッチンやユニットバス、トイレや住宅建材など、モノの比較解説はしっかりしてくれるのだけれど、肝心の居住環境性能の話になると、一気に語彙が少なくなり、根拠に乏しくなるケースが多いようです。
特に大手ハウスメーカーの営業さんと話すと、「これは自分でもちゃんと調べなければ駄目だ」と本気で調べ始める気にさせるとのこと。
また、気密測定については、大手はもちろん、地元ビルダーや工務店であっても、お金を払うと言っても拒否されるくらい頑な建築会社もあるようです。
つまり、断熱や気密、空気循環など、快適性に配慮した住まいづくりは、家を建てる方が調べれば調べるほど、建築会社との知識格差が広がり、「任せられない」と感じてしまうという悪循環。
建てたいご家族の要求性能は上がっているにも関わらず、建築会社側の知識量が上がっておらず、しっかりと説明できる人もいない。
先日の来場者さんも、「僕らがこんなに調べなきゃいけないの、おかしいですよね。」と仰っていました。
本当に仰る通りです。
ただ、温熱環境に関する知識って、何かのメーカーの営業に聞けば済むものではありません。
例えば、断熱材メーカーの営業さんは、断熱のことしかわからないし、換気機器メーカーの営業さんは、換気のことしかわからない。
ましてや、床下エアコンや屋根裏エアコンといった手法は、マニュアルがあるような正式な施工方法ではありません。
そもそもの熱の動きや、空気の移動などを考えた上で、より効率の良い方法が模索され続けている手法です。
弊社でも、屋根裏へのエアコン設置は25年、床下への設置は7年と続けていますが、今年あらためて、空調についての総合的な勉強会に参加して、新たな学びを沢山もらっています。
今年4月から、建築基準法にて省エネ基準が義務化されるとは言え、その断熱性能は今、全館空調を検討されている方々からすれば、下の下ですし、気密測定の義務化などありません。
結局、快適な居住環境を家造りのこだわりトップに挙げるのであれば、気密や断熱をこだわり続けている建築会社でしか、話が通じないということ。
まだまだ、専門性の高い分野なので、希少性が高いのかもしれませんね。
デザイン優先でも、価格優先でも、水回りでも、建築会社によって、得意分野には偏りがあります。
だからこそ、「どんな家を作りたいか?」、以前に「どんな暮らしを求めているか?」
家づくりの根っこをちゃんと把握して、優先順位をつけましょうね。
その上で、優先順位がトップの要望が得意な建築会社と話してみましょう。
お互いに価値観がそろえば、きっと話題は弾むはず。
さて、宇都宮近辺で、全館空調やりたい皆さーん、2/15・16の構造見学会に寄っといでー。
マニアックと言われてしまうような空調の話に付き合いますよー。
hiroyuki