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つくり手の言葉

性能がいい窓は絶対結露しない!?それホント???

明けましておめでとうございます。

2021年一発目のブログです。お忙しい中、読んでくださる皆様、本当にありがとうございます。

本年もお付き合いくださいね。

さて、冬真っ盛り。多くの家では窓に結露がつく季節ですね。

息子が見ているベネッセのDVDにも「キラリンちゃん」などという名でキャラクター化されていました。

結露ってホント嫌ですよね。そのままにするとカビの原因にもなってしまいます。

先日も見学会に来られた方から、

「トリプルガラスの樹脂サッシを使えば、結露なんて絶対にしないですよね!」

と言われたことがあります。

正直な回答するならば、こたえは「No!」

トリプルガラス樹脂サッシ(以下、トリプル樹脂)だからって絶対に結露しない訳じゃぁありません。

オースタムでも稀にトリプル樹脂の物件でも結露のご相談があります。(もちろん解決しちゃいますけど。)

そんな具体例も含めて、トリプル樹脂と結露について書いてみます。

では、おさらい。

冬の結露はどうしておこる?

室内の暖かい空気が、冷えたサッシ(窓)に当たると、空気中の水蒸気が水として表面化する現象です。

この時に大きく影響するのが、

①サッシ(窓)表面温度

②室温、

そして、

③室内の湿度です。

トリプル樹脂の場合、他のサッシと比較して屋外の熱を通しにくいため、①が下がりにくいので、結露が起こりにくいのです。

結露が発生する①を「露点温度」と言います。

では、この露点温度は一定かというと、そうではありません。

実は、②、③によって変化してしまうんです。

例えば、よく聞く一般的な全館空調の家の温湿度状況 ②20℃、③30%だとすると、露点温度は1.9℃となります。

たしかに、この状況であれば、①が1.9℃まで下がらなければサッシで結露を起こしません。

宇都宮市周辺で、トリプル樹脂表面温度が1.9℃まで下がる事は考えにくいので、結露を起こす可能性がほぼ皆無と言ってもいいでしょう。

ただ、②20℃、③30%って、室内環境としてはビミョ~。

肌寒いし、空気カラカラですよね。

快適な状態としては、②23℃、③50%は欲しいところ。

とすると、露点温度は急激に上がって、12℃となります。

ココまでくると、意外とギリギリ。外気温が、-6~7℃程度になると、うっすら結露が付く場合があります。

つまり、基本的には①、②、③のバランスの上で結露発生の有無が決まる上、さらには、冬であっても快適な環境であればあるほど、結露リスクは高くなりやすくなります。

宇都宮周辺で「結露はしません!!」と言い切れる営業さんがいるとするならば、想定している室温もしくは湿度が低い可能性も考えられます。

温度と湿度を確認した方がいいかもしれません。

ちなみに、オースタムのオーナー様宅でもトリプル樹脂でこんな結露がありました。

例1.カーテンがゆったり。

新築時、カーテンを床に引きずる位にゆったりと作った掃き出し窓枠下端で、結露が。カーテンで掃き出し窓が囲われてしまい、空気循環が出来ず、カーテン裏側の温度が14℃以下まで下がってしまった事が原因でした。対策として、カーテンを閉める際に空気が通るようにフワッとしてもらったら、結露が出なくなりました。

例2.家族が急に増えた。

隣にお子さんが家を建てたのだが、暖かい親の家にいる時間が多くなり、お孫さんの洗濯物も毎日洗濯するようになり家全体のサッシが結露。住居人数、洗濯物が増えたため、室内の水分量が多くなってしまい、真冬にも関わらず湿度60%前後まで上がってしまう。対策としては24時間換気扇の換気量を必要量まで上げたら、結露は出なくなりました。

などなど、その他にも空気循環の仕方を間違えてしまったり、サッシに向けるかたちで加湿器をつかってしまったりと、生活の仕方が理由でもトリプル樹脂でも結露を起こす可能性があります。

トリプル樹脂といっても、まったく結露を起こさない訳ではありません。

とは言え、宇都宮周辺ではトリプル樹脂が必需品。

そのメカニズムを理解して、対処できることが重要です。

それに、サッシの結露だけが住宅の敵ではありません。

快適に安心して暮らすためには、気密断熱、換気、空気循環、湿度管理、採光遮光、耐震、耐久、デザイン、など設計するべきことは山ほどあります。

そりゃ、一棟一棟向き合える建築会社じゃなきゃ、快適な住宅なんてできませんよね。

hiroyuki

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