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つくり手の言葉

意外と大事な基礎と土台のあいだ!?

コートの季節になりましたね。

先日、写真撮影でオースタムにて新築、リノベさせて頂いた数件のお宅を回らせて頂きましたが、

「暖かすぎて困った」とのご相談を頂きました。

空調の使い方のカスタムや暮らしの中での空気循環など、そのお宅ごとに、ちょっと違ったアドバイスを。

しかし、どのお宅も十数年前に建てたG1レベルの我が家とは比べモノにならないくらいあったかいですね。

うらやましい。

さて、今日はそんなお家の基礎と土台のお話を。

昔の基礎は

日本の木造住宅って、土台という横に敷いた木材の上に柱が立って建物ができています。

前に、基礎を誰が設計してるかちゃんと聞いてる!?で書いたように、束石に束(短い柱)が立ってその上に土台が乗ってましたが、それがコンクリートになりました。

昔はこんな感じで基礎コンクリートに通気口があって、床下に湿気がこもらないようにしてました。トトロが出入りして有名ですよね。

でもこの工法、基礎の耐力低下や通気効率の偏り、土台がコンクリートの湿気を吸って劣化したりと、問題点がありました。

そこで生まれたのが基礎パッキンという材料。

土台と基礎を離す

城東テクノ株式会社ホームページより

基礎と土台の間に樹脂製の通気部材を入れることで、基礎の強度を損なうことなく、建物全周囲から通気を行い、更にコンクリートと木材を分離することで、土台の劣化を防ぐ工法が採用されるようになりました。

近年は、基礎断熱工法が爆発的に市民権を得たため、この通気を無くし、気密材を加えた「気密パッキン」という部材が使われるように。

城東テクノ株式会社ホームページより

更に、気密性と施工性を兼ねそろえたシートタイプのものまで。

マグ・イゾベール ホームページより

仲間の工務店さんと話題になったこと

さて、ここまで来た時に、友人の工務店さんと話題になったのが、

「コンクリートの湿気は防げても、結露リスクあるから要対策だよね」ってこと。

アキレス ホームページより

いい画像だったので、断熱材メーカーのアキレスさんの画像を拝借。

今気になってるのが、「気密パッキン」と書いてある矢印部分。

高性能住宅の場合、建物外壁は付加断熱が施工されて断熱が外側に飛び出しています。

一方、基礎は基礎の内側での断熱が多いです。

となった場合、土台は家の中の温度が伝わり、基礎は外気の温度の影響を大きく受けます。

つまり、冬、土台は暖められ、基礎は冷やされるという事。

この間にいる気密パッキンの辺りって、温度差で結露リスクありそうな気がしませんか?

もちろん対応策がない訳ではありません。

リスク対策はこの4つ

①家の中の温度を低くしてと外気温の差を小さくする。

②家の中の湿度をカラカラにして露点温度を下げる。

③基礎を外側から断熱すること(基礎外断熱)で外気の熱を伝えにくくする。

④基礎パッキンを断熱性能の高いものにして外気の熱を伝えにくくする。

オースタムは、④を採用することで対策しています。

ねこ土台といって、土台と基礎に10㎝角の断熱樹脂ピースを間隔を開けて施工し、隙間が空いている所に、あとから断熱材を施工します。

こうすると、基礎と土台の間の熱の出入りを極力小さくすることが可能です。

5年くらい前に

オースタムと他社さんを比較されて、他社さんを選ばれたお客様から建築後にお電話いただくことがありました。

「オースタムさんとほぼ仕様を同じにして建ててもらったのに、掃き出し窓の前の床が冷たい。何が問題かわかる?」と。

他社さんの施工なので、もちろん断言はできませんが、この辺りの断熱方法の違いの可能性をご案内したのを記憶しています。

住宅にはたくさんの部材が使われています。

何を使うか、仮に同じ部材でも、どう使うかで暮らしが変わります。

これを比較するのはムズカシイかもしれません。

だからこそ、設計だけでなく施工も大事。

見えない部分も熟練の手で、丁寧に施工したいところですよね。

hiroyuki

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