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つくり手の言葉

樹脂サッシなら結露は起こらない!?

毎日、朝晩共に車に乗ると、路面凍結注意のアラートが点きますね。

わたしの自宅も朝起きて温湿度計を確認したら、こんな温湿度。

ちょっと肌寒い。

窓に目をやると、結露発生中。

残念なことに、わたしの築12年の自宅は、アルミ樹脂複合サッシのペアガラス。

ガラスとガラスをつなぐスペーサーがアルミ仕様。

熱還流率にして、2.33w/㎡k

当時は関東地方としては、高性能サッシの部類だったのですが、

今現在ご提案しているサッシの熱還流率が、0.82w/㎡kなので、その性能差は約3倍。

今、自分がご提案している家に住みたい・・・

そんな旧仕様であっても、Ua値が0.46w/㎡k、HEAT20 G1レベルなので、エネルギーコストはかかるけど、温度差のない生活ができています。

さて、表題の樹脂サッシの結露、皆さんは起こると思いますか?

起こらないと思いますか?

正解は、起こらないとは言い切れない。

煮え切らない表現でスミマセン。

というのも、窓が結露を起こすには、3つの要素が絡んでいます。

①サッシ温度 ②室温 ③室内湿度

これらのバランスで結露が起こります。

例えば、今朝の私の自宅の状態だと、

①室温 21℃ ②室内相対湿度 60% ③サッシ温度 10.5℃

①と②から露点温度(結露する表面温度)を割り出すと、12.9℃

つまり、サッシやガラス表面が12.9℃を下回ると、その表面が結露する状態です。

では、数字をちょっといじってみましょう。

①室温 21℃ ②室内相対湿度 35%

室温を変えずに、湿度を下げました。

高気密高断熱住宅だと、よくある環境ですね。

この時の露点温度は 5℃

サッシが5℃を下回らなければ、結露は起こりません。

つまり、冬に家の中がカラカラに乾燥していれば、そもそも結露は起こらないんです。

灯油のファンヒーターなどを使っていた時代は、吹き出し口から出てくる熱風に灯油の水分が乗っていたので、実は加温しながら加湿もしていました。

しかし、エアコン暖房が主流となった今、室内の空気をただ暖めていくと、空気中の水分の割合が下がってしまう為、乾燥感が強くなってしまいます。

暖かい家づくりをするために、冬、どのような方法で、どの程度加湿するかは、しっかりと計画する必要があります。

さて、では逆に、①室温 21℃ ②室内相対湿度 85% としたら・・・

露点温度は、18.4℃

たった 2.5℃ サッシの表面温度が下がっただけで、結露を起こします。

例えば、樹脂サッシは使っているけれど、室内の空気循環の計画がうまく機能していない、室内物干し場があるとすれば、サッシが結露を起こす可能性は否定できません。

過去にお引渡しさせて頂いた物件で、インテリアの提案としてカーテンをゆったりと床を引きずる長さにしたところ、掃き出しとカーテンの間の空気が冷えて、トリプルガラスの樹脂サッシにも関わらず、結露が発生してしまったことがあります。

結露をおこさない為には、温度、湿度、空気循環、欠けることなく検討が必要です。

ちなみに、見えるところの結露はまだ、マシです。

夏の壁体内結露、つまり壁の中の結露っても世の中には存在しまして、断熱材の構成や透湿の関係で、見えない所で結露を起こします。

もちろん、結露判定プログラムという、計算プログラムでチェックしてあれば安心ですので、住宅の設計時に設計士さんに確認してみましょうね。

hiroyuki

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