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つくり手の言葉

水回りの床、どうしよう・・・

夕方が肌寒くなってきましたね。

それでも高断熱住宅だと、日中の窓からの日射取得で、この時期は室温が暖まっていることが多いです。

夜、帰宅した際に、私にはちょっと室温が高めに感じることがあるので、局所的に窓を開けて調整しています。

開けっ放しはさすがに寒いので、あくまで調整。

冷房の時期も終了なので、自宅もそろそろエアコンクリーニングを検討しようかな。

さて、今日は住まいづくりにおいて、奥様が悩むことの多い「水回りの床」について。

快適に暮らすために、床材に無垢材を選んだとき、水回りの床はどうしますか?

水回りの床材、何を基準に選ぶ?

住宅において水回りというと、キッチン、洗面、脱衣室、トイレ。

これらの場所の床材を何にするかっていうのは、皆さんなかなかの悩みどころです。

暮らしのなかで床材を考えたとき、気になるのは大きく4つ。

体感 踏み心地はどうか?

清掃性 汚れは落としやすいか?

耐久性 劣化しにくいか?

美観 カッコ悪くならないか?

もちろん、水に強いことも大事ですが、それだけで決めてしまうと、暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」なんてことにも。

それぞれの場所で、何に気を付けながら選択していくか、ポイントを挙げていきましょう。

キッチンの床は、無垢材?それともタイル?

現代の暮らしのなかで、キッチンは住宅の顔と言ってもいいくらいの存在感になりました。

でも、水仕事と油を使う場所なので、素材に悩む方は多いです。

ここで意外と重要なのが、加熱機器の違いです。

IHクッキングヒーターは鍋底を直接加熱するため、ガスコンロのように炎で鍋の周囲を加熱することがありません。

そのため、調理時の上昇気流が比較的弱く、細かな油の粒子が遠くまで飛散しにくいという特徴があります。

一方、ガスコンロは炎による強い上昇気流が発生するため、細かな油の粒子が周囲へ広がりやすくなります。

ただし、上昇気流が強いことは悪いことばかりではありません。レンジフードまで油煙を運びやすいというメリットもあります。

逆にIHは上昇気流が弱い分、周囲の空気の流れによっては油煙がレンジフードにうまく捕集されないことも。

つまり、IHとガスでは油汚れの広がり方が違うんです。

もちろん、調理方法やレンジフードの設計によっても変わりますが、こうした違いも床材選びには関係してきます。

そのため、IHクッキングヒーターを使用するキッチンであれば、私は無垢材の床も積極的に選択肢に入れて良いと考えています。

ただ、樹種はちょっと硬めのものが良いでしょう。

オーク、チーク、タモ、アカシアなども候補になります。

柔らかい樹種、例えばパインやスギなどの場合、傷やへこみが付きやすく、表面の仕上げによっては水や汚れが染み込んだ際に跡が残りやすい。

もちろん、塗料などで保護することもできますが、極力自然の木の味わいを残したいのであれば、硬めの樹種を選ぶ方法もあります。

ただし、硬い木だから水に強いというわけではありません。樹種ごとの性質や塗装方法も大事です。

また、美観と清掃性を考えてタイルを選ぶ方も多いです。

無垢材とのメリハリをつけやすく、キッチンのデザインと共に空間のイメージを作り込んでくれます。

注意したいのが、タイルは木に比べてかなり硬いということ。

オーナー様の中には、立っている時間が長いと足が疲れやすいとおっしゃる方もいらっしゃいます。

キッチンだけスリッパを履いているとかね。

見た目だけでなく、実際の暮らし方まで考えて選びたいところです。

洗面・脱衣室は、床材よりも先に考えることがある

この2か所については、水滴が気になるところです。

昔の家のイメージだと、この辺りの床が腐って、張り替えが発生するという感じですよね。

現代の家だとしても同様で、換気や湿度管理がしっかりと設計されていない住宅の場合、湿気が溜まりやすく、四六時中ジメッとしやすい場所。

さらに断熱・気密が弱いと、冬場に結露を起こして下地が劣化しやすくなることもあります。

正直、そこまで行くと、仕上げに何を使っても……というところですが。

湿気が溜まりやすいとわかっているなら、水に強い床材を選定した方がイイですよね。

というところで、クッションフロアを勧める建築会社も結構あるみたい。

では、換気や湿度管理がしっかり考えられていて、床下を含めた断熱・空調計画によって結露のリスクを抑えられる住宅ならどうでしょう?

無垢材だって、十分に選択肢になります。

ちゃんと換気して、湿気が溜まらないようにできるのですから。

もちろん、お風呂上がりに家族全員が濡れたまま床を直接踏んだり、濡れたバスマットが万年置きっぱなしなんて場合は、ちょっとリスクが高くなります。

だったら、大判タイルがいいかもしれませんね。

吸水率の低いタイルを選べば、表面に水が掛かっても扱いやすい。ただし、目地や取り合いから水が入り込まないよう、下地や納まりには注意が必要です。

多少雑な暮らし方でも対応しやすいのは、メリットでしょう。

また、タイルは冬場に冷たいイメージがありますが、基礎断熱と全館空調を組み合わせ、床面温度までしっかり考えた住宅なら、素足でも冷たさを感じにくい環境をつくれます。

つまり、水回りに無垢材を使えるかどうかは、床材だけの問題ではないんです。

トイレの床は、ちょっと事情が違う

ここが悩ましいところ。

水というよりも、アンモニアが絡んできます。

そのため、清掃性を優先しつつ美観を残すと、大判タイルを選ぶ方が多いですね。

大判タイルなら目地の数を減らせるので、尿などの汚れが目地に入り込むリスクを抑えられます。

もちろん目地がなくなるわけではありませんが、掃除の手間も減らしやすい。

トイレの床に大判タイルを選ぶのは、見た目だけでなく、ちゃんと実用的な理由もあるんです。

特に、幼稚園児~小学生男子がいたり、男子人口が多い場合は、タイルです。

奴らは、こぼします。

男児は座っていても、構造上こぼしてしまう時期がありますので厄介です。

男子は早めに清掃担当に任命し、清掃の大変さを理解させましょう。

その辺り、うまく調教できる奥様は、無垢材で行ってもOKです。

ただし、無垢材は尿などが染み込むと、臭いや変色が残ることがあります。

樹種や塗装にも気を配りたいところですね。

どんな素材でも、掃除は必要です。だったら、できるだけ掃除しやすい素材を考えたいですよね。

クッションフロアをあまり勧めない理由

と、ここまで書いて、

「おいおい、クッションフロア(CF)が出てこないじゃないか!」

と思っている方、流石です。

継ぎ目を少なく施工できて、柄も豊富。水拭きしやすく、費用も比較的抑えられる。

傷んだら張り替えもしやすい。

と仰るでしょう。

確かに、その通りです。

でも、私としてはあまり勧めたくない。

最初に挙げた、体感、清掃性、耐久性、美観の4項目。

CFが特に強いのは清掃性。そして初期費用の抑えやすさでしょう。

一方で、踏み心地や経年変化、美観については、私が求めるものとはちょっと違うんですよね。

そもそもCFには、いい思い出が無いんですよ。

昔、ご要望があって洗面室で使ったことがあったのですが、オーナーさんが洗面室だけスリッパを履く方で。

そのスリッパをCFの上にずっと置いていたら、色移りして取れなくなったことがあるんです。

しかも、CF側の柄まで傷んでしまって……。

素材の組み合わせによっては、こうした色移りや変色が起こることがあります。

もちろん、すべてのCFで同じことが起きるわけではありません。

ただ、素材の性質上、傷やへこみ、経年劣化などを考えると、将来的な張り替えも視野に入れておく必要があります。

張り替えが比較的容易というのはメリットですが、当然、費用も手間も掛かります。

であれば、最初からタイルでカッコよく仕上げたら良くないですか?

初期費用は高くなるし、下地や施工方法にも注意が必要ですが、長く使うことを考えれば、十分に検討する価値があります。

だからオースタムでは、CFをまずご提案することはないんですよね。

床材の選択肢は、住宅の性能によっても変わる

さて、ざっくりではありますが、水回り各所の床材選びについてお話ししてみました。

水回りだから、水に強い素材を選ぶ。

それも間違いではありません。

でも、実はそれだけではないんです。

換気や断熱、空調や加熱機器など、住宅の性能や仕様によって、選べる床材の幅が変わってきます。

湿気が溜まりにくく、結露のリスクを抑えられる住宅なら、無垢材を使える場所も増える。

冬場の床面温度まで考えられていれば、タイルの冷たさだって軽減できる。

つまり、住宅の性能を高めることは、快適性だけでなく、素材選びの自由度を広げることにもつながるんです。

家づくりって面白いですね。

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オースタムは、栃木県宇都宮市を中心に、高気密・高断熱の住まいづくりを行う工務店です。

断熱・気密性能はもちろん、換気や空調、湿度管理までトータルに考え、一年を通して快適に暮らせる住まいをご提案しています。

性能だけでなく、素材の心地よさやデザイン、日々の暮らしやすさも大切に。

家族が永く心地よく暮らせる住まいを、一棟一棟丁寧につくっています。

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