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つくり手の言葉
ついに宇都宮にも初雪が降りました。
暖冬とは言え、寒い日は寒い。
そんな日こそ、家の断熱にこだわって良かったと実感できます。
さて、お客様の住まいへのこだわり、というのは実に様々です。
夢のマイホーム、より良いものにしたいと考えるのはごく当たり前のこと。
スマホのSNSを開けば、メチャクチャおしゃれな住宅や暮らし、快適な暮らし、”こうすべき”という性能情報.etc.etc.etc…
誰もが山ほどの情報を、延々といつまでも得ることができます。
家を建てるご家族にとっては、とてもありがたいことですよね。
そのため、近年、家を建てるお客様のニーズのバランスが変わったように感じます。
私の印象だと、ニーズが全方向に広がった感じ。
家を建てるなら、当たり前とされる前提条件がしっかりと底上げされ、洗練されてきています。
例えば、こだわりというと、
断熱や気密、換気など居住環境に関するもの。
耐震や、メンテナンス性など、安心を中心とするもの。
外観、内観、素材を含めた美観、
キッチン、お風呂、などの設備、
そして、自分たちの暮らし方にフィットした間取りやサイズ感。
そのすべてにおいて、自身で事前にしっかりと調査をすることで、この五角形全方向でベースアップされている印象です。
私たち建築会社も、お客様の具体的な要望がつかみやすく、イメージ共有しやすいため、より齟齬が少ない家づくりができるようになりました。
これに比例して、大きくなるのが予算面です。
設計、素材、工事、仕様、良いものを使って、手間をかけた工事をすれば、その分コストがかかるというのは、ご理解いただけるかと思います。
金額が変わらなければ、誰かが泣いているってことになります。
実のところ、稀にお会いするご相談者さんに、
「とにかく安く希望の住まいを建てたいから、色々な建築会社を周りに回って家の勉強をしている。」という方がいらっしゃいます。
「とにかく安心して希望の住まいを建てたいから~」であれば、共感してしまうのですが、
「とにかく安く~」の場合は、けっこう危険。
各社を回って、其々のいいとこどりをするという考え方、一見効率よさそうに見えますが、実のところ非常に難しい。
この会社がやっている断熱材を使って、こっちの会社の空気循環方式再現して、あっちの会社の耐震方法を取り入れて・・・
各社の基準くらいの金額でできれば。。。
これができるか?
かなりリスキーな思考だとわかりますよね。
度々、ブログで書いている通り、どの建築会社も普段行っている仕様こそ最高のコスパを発揮します。
どこかの会社がやっている事を、施主さんの情報をもとに見様見真似で。
もちろん、それを機にその会社が仕様変更して、使い続けるなんてこともあるかもしれません。
でも、多くの場合、その時限りの仕様。
簡単に「やりますよ。」と言われること程、怖いものはないのです。
どなたも予算あっての家づくりです。
だからこそ、「少しでも安く良いものを。」というのは当たり前。
とは言え、建築会社それぞれプロが考え抜いた家づくり。
組み合わせただけで、最高のコスパになるなら、もうやっちゃってます。
調べれば調べる程、知りすぎるほどに、手放せない必要性能から逃れられず、
これらができないなら、建てる意味が・・・なんて思い通りにならない事に悩んでしまうかもしれません。
だから、家づくりに学ぶことは、
より「安く希望の住まいを建て」ためにではなく、
より「安心して希望の住まいを建て」るために、大事なのです。
家づくりを勉強することはとっても大事。
でも、住宅の取得にコスパを最優先するならば、
そもそも、安く建てることが得意な建築会社を探すことに注力し、
「暮らし方に家を合わせる」のではなく、「家に暮らし方を合わせる」方向に振り切った方がいいのかもしれない。
hiroyuki