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つくり手の言葉
先日のオーナー様宅見学会、来場された皆さんが来てよかったと言ってくれました。
なにせこの時期の体感は貴重ですからね。
冬の体感見学って、メチャクチャ重要なんです。
もし叶うならば、同じ時期に候補の建築会社の、実際に人が住んでいる家を比較体感する事をお勧めします。
というのも、仮に性能数値が同じであっても、体感温度が恐ろしく違う事があるからです。
今回は、その違いの中でも劇的に体感温度が変わる、たった2文字の違いについて解説します。その表現がこちら。
この違いです。
実は、ここには決定的な差があります。
一般的な高気密高断熱住宅(床断熱)+壁掛けエアコン暖房。
室温は23℃。
快適な設定温度です。
しかしこのとき、床表面温度はどうなっているか。
多くの場合、室温と同等か、少し低い程度(21〜23℃前後)になります。
つまり、
空気は暖かい
でも、床はそれ以上に暖かくはない
これはイメージとしては
「寒くはない」けれど
「じんわり気持ちいい」まではいかない。
これが“足元まで暖かい家”です。
一方、基礎断熱+床下エアコンや基礎暖房を採用した場合。
床下空間を暖房空間として扱うため、
床表面温度が室温より高くなることがあります。
例)
これは体感としてまったく違います。
イメージで言えば
単に空気が暖かいのではなく、
足裏から熱が入ってくる。
これが「足元から暖かい家」です。
人間の体は、末梢(手足)から冷えます。
足裏は血管が密集しており、
ここが冷えると体は「寒い」と判断します。
生理学的には、
という反応が起きます。
一方、足裏が温まると
になりやすいことが分かっています。
実際、床暖房使用時の研究では、
というデータが示されています。
つまり、
室温が同じ23℃でも
床が21℃の家と
床が26℃の家では
体の感じ方が違う。
これは「気分」ではなく、
生理反応の差です。
ここで重要なのが「輻射」です。
暖かい床は、空気を温める前に
人体に直接熱を伝えます。
エアコンは主に対流(空気)
基礎暖房や床暖房は輻射+伝導
この違いが、
という現象を生みます。
オースタムが「輻射暖房」というキーワードを重視している理由はここにあります。
基礎暖房が正解、
床暖房が絶対、
という話ではありません。
大事なのは
「足元から温める」という思想。
手段はさまざまあります。
しかし方向性は共通しています。
足元から熱を入れると、少ないエネルギーで快適になる。
これは理屈でも、体感でも、説明できます。
家づくりの目的は、
室温の数字を上げることではありません。
人がどう感じるか。
体がどう反応するか。
そこまで設計することが、本当の快適です。
数値は大切です。
UA値もC値も、絶対に必要です。
しかし最後に効いてくるのは、
「どこから熱を入れているか」
足元まで暖かい家か。
足元から暖かい家か。
この差が、暮らしの質を左右します。
数値は、とても大切です。
UA値もC値も、快適な家づくりの土台です。
私たちは、高気密高断熱を前提に、
湿度や空気の流れまで整える設計を行っています。
設計(構造・温熱)から施工まで一貫して関わるのは、
その数値を“実際の体感”に変えるため。
性能があってこそ、快適が成立する。
でも、最終的に感じるのは人の体です。
足元からじんわり暖かいこと。
それが、冬の安心につながります。
数字と体感、その両方を整える。
それがオースタムの家づくりです。
株式会社オースタム
代表取締役 鈴木 博之