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つくり手の言葉

高気密住宅ってガスは使えない?

家づくりにでは、「自身の趣味を前に出した方が、絶対楽しい!」と言い続けておりますが、本当にいろんな趣味の方がいらっしゃいます。

車やバイク、楽器、音響、スポーツ、アクティビティ、本、工作、筋トレ、猫さんやワンちゃん、はたまた爬虫類 etc.その分野の中でも、更にどこをピックアップするかで深みが増しておもいしろいところです。

そんな趣味のなかでも、料理という趣味という方から、

「高気密住宅って、オール電化しかできないんですか?」

というご質問を頂きました。

聞くと、高カロリーのガスコンロで中華鍋をガンガン振りたいとの事。

中々ステキな夢です。

さて、高気密住宅でのガスコンロ使用は可能でしょうか?

こたえは「YES!!」できますよ。

とは言え、高気密住宅ならではの注意すべき点があります。

ポイントはふたつ。

「酸素供給」と「燃焼ガス排気」。

①酸素供給

ガスを燃焼させるにあたり、酸素が必要な事は理科で習いましたよね。

一般的な住宅の場合、隙間が多いので、火を燃やすための酸素がどこからでもドンドン供給されます。

しかし、気密性能の高い住宅の場合、隙間がない分、必要な酸素を引っ張り込めず、ハイカロリーな燃焼がしきれず不完全燃焼を起こすことあがあります。

②燃焼ガス排気

ガスを燃やすと燃焼ガスが発生し、空気を汚染します。

高気密住宅はエネルギーロスを減らすために、効率的な最低銀の換気量のみをおこなっています。

隙間が極少ないので、漏気による自然換気もありません。

高気密住宅でファンヒーターの使用がNGなのはご存知かと思います。

理由は、一般的なファンヒーターが排気ガスで部屋を暖めるため、空気の汚染が只ならぬことになるからです。

それと同じですね。

ここまで書くと、「ガスコンロ使えないんじゃん。」と思われてしまいますが、ちゃんと対処法が存在ます。

「同時吸排気型コンロ連動」換気扇を使うんです。

この換気扇を回すと、その名の通り、排気と同時に別のダクトから外の空気を取り入れてくれます。

もともとは、高気密住宅で容量の大きな局所換気扇を回すと、圧力差で引っ張られて、玄関ドアや窓が開かなくなる現象があり、その対処に使われるのですが、ガスコンロの酸素供給にも非常に有効です。

更に、火をつければ自動で換気扇が連動して回るので、燃焼ガス排気を忘れずに行う事ができるので、安心です。

特性をちゃんと理解して、仕様を選べば、高気密住宅でも、愛用の中華鍋が振り放題です。

さて、ガスと言うと、近年リンナイのガス乾燥機「乾太くん」の知名度が爆上がりして、相談が結構ありますが、残念ながらオースタムの施工エリア周辺だと、都市ガスの普及率が非常に低い。

ランニングコストの面を考えると、プロパンガスでの利用はなかなか厳しいので、最終的にはヒートポンプ式の乾燥機を検討する方の方が多いですね。

とは言っても、せっかくの家づくり、新たな暮らしが楽しくキラキラな方がいいので、「ガスコンロ入れた方が毎日の料理が楽しくなる!」とか、「洗濯物がサクッと乾く方が、気持ちのいい暮らしになる!」のであれば、そこはコストだけの問題じゃないですよね。

高気密・高断熱とか、エコロジーとか、効率的な暮らしとか考えてしまうと、ついつい、無駄を省かなきゃいけないような気になってしまうものですが、人の趣味なんてものは、興味がない人からすれば無駄な事。

それでもの本人にとって、明日の活力になるのであれば、そんなに大切な無駄はありません。

大切な無駄と本当の無駄をしっかり仕分けして、愛着を持ち続けられる家にしましょうね。

hiroyuki

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