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つくり手の言葉
冬の寒さが一気に来ましたね。
つい数日前にTシャツで出かけたはずなのに、極端すぎです。
こう寒くなると、もう年越しを考えてしまいますね。
さて、来年2025年といえば、住宅建築業界では、「4号特例縮小」という大きなトピックがあります。
先日も、検査機関に現場検査をしてもらっていたときにこの話題になって、来年は検査機関もてんてこ舞いになるかもしれないと話していました。
この4号特例縮小、住宅を取得する方々にどんな影響を及ぼすか、今日は書いてみます。
まず、4号特例を説明するには、4号建築物というのを知って頂く必要があります。
4号建築物とは、2階建て以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延床面積500㎡以下の小規模な建築物を指します。
一般的な木造住宅の多くがここに分類されるため、この特例縮小の影響を多分に受けることになります。
この4号建築物、高度経済成長期にその景気に伴って、着工が増えすぎました。
結果、建築確認や検査を担当する人員が不足し、対応が追いつかない事態になったのだそうです。
そのため、「建築士が設計し、規定をクリアしたもの」については、一部項目について審査の際に書類提出を不要としました。
その主要な内容は、構造計算や居室の採光、電気設備などなど。
来年の特例縮小において、最も大きな話題となっているのが、この構造計算です。
4号特例によって、
「壁量計算という簡易的な構造計算を行うことで、構造バランスを最低限チェックしてね。でも、その書類は提出しなくてもいいからね。」
と言われていたものが、
「これからは、ちゃんと提出してね♥」になりました。
そのため、一部の建築会社は、「こんなの手間が増えすぎてしまう!!」と叫び始めました。
「ん?」
と思った方は、鋭い。
本来、「提出しなくてもいいから、計算してね。」という事だったはずですよね。
簡易計算して、安全性の最低限の確保していましたよね?
おかしいなぁ。
冒頭で書いた通り、検査機関としては、一棟ごとに検査項目が増えるので、そもそものしごと量が大幅に増えてしまします。
だから、特例縮小によってボヤく気持ちもわかります。
しかし、建築会社がこの縮小によってボヤくのはお門違い。
だって、本来計算しているんだもの。
それを提出するか、しないかだけのハズですよね。
じゃ、ボヤいてる建築会社って・・・
実際に、これから家を建てる方々への影響は、というと、
良い点としては、簡易的ではあるけれど構造バランスがちゃんと計算されるようになる。
もちろん、耐震設計をしっかり行うには、許容応力度計算によって耐震等級3のせいのうを持たせることが大事です。
でも、壁のバランスすら見ずに文字通りの自由な設計をされることは少なくなりますよね。
安心な家造りに一歩近づいたといえます。
逆に負担となる部分としては、
そもそも審査項目が増えるので「審査機関の審査費用」が高くなることが想像できます。
「建築会社の設計費」ではなく、「審査機関の審査費用」です。
本来もとからやってる事ですからね。
合わせて、お引渡しまでの長期化する可能性があります。
特に、特例縮小直後は、審査機関の業務がスムーズに進まない、早く着工許可がほしいと、案件が集中するなど、ボトルネック化が起こる可能性があり、着工タイミングが遅れるなどの影響があるかもしれません。
より安心を得るために、と思って必要なものと捉えましょうね。
もっと長く安心な家造りを考えているなら、4号特例が〜なんてレベルではなく、
許容応力度計算にて耐震等級3。
もちろん、オースタム一級建築士事務所では、耐震等級3でのご提案をしていますよ。
あ、オースタムが一級建築士事務所登録してること、知らない方も多いので、ちょっとだけアピールしてみました。
ちなみに、4号特例縮小にあたり、省エネ基準への適合が義務つけられるので、これまでの説明義務を超えて住環境もちょっと改善されますね。
てな訳で今日はここまで。
hiroyuki