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つくり手の言葉
外、寒くなりましたね。
今年は、一気に気温が下がったので身体が対応できず、例年よりも寒さが厳しく感じます。
それとも歳ですかね・・・
さて、先日の見学会で、相談者さんから、
「私の自宅は、冬、窓を閉めていても風を感じるのですが、やっぱり隙間が多いからですかね?」
とご質問を頂きました。
皆さんの住まいでは、家の中で風を感じることってありますか?
風というのは、体感温度にとっても大きな影響を与えます。
良く知られているのは、風速にして1m/秒の風が吹くと、体感温度が1℃下がるってことですよね。
風が身体に当たると、身体の表面の熱を奪います。
だから、寒い時期に空気が動いているのを感じると、より寒いのです。
では、冬に窓を閉めていても空気が動いている感じがするのはどんな理由でしょうか。
理由の一つは、先の相談者さんが言っていた通り「気密性」の問題です。
隙間が多いため、空気が出入りしやすい状態になっています。
例えば、隙間があると、風が強い日であれば、外から風の圧力で押されて、外気が室内に入ってきます。
「いやいや、家の外で風なんか吹いてないのに、家の中で空気が動いてるよ!」という方、まさにそっちがポイントなんです。
空気は温度差によって、移動します。
「暖かい空気は軽く、冷たい空気は思い」って、遠い昔に習ったような気がしますよね。
まさにこれが空気が動く正体です。
暖房によって暖められた空気は天井に向かって、登って行こうとします。
隙間が多い住まいだと、暖まった空気は屋根裏から外へと逃げていきます。
空気が逃げていくと、バランスをとるように、床下から冷たい空気が入り込んできます。
暖房をガンガンに炊いているのに、顔はのぼせる程あったかいけど、足元が寒くていられない。そんな体感をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
更に、室内でも空気は動き回ります。
暖房によって暖められた空気は天井に向かって、登って行こうとします。
その時、壁や天井、窓の断熱性能が低い住まいだと、そこに触れた空気は冷されます。
冷やされた空気は、下に降りようとします。
すると、室内の空気はぐるぐると勝手に動きはじめます。
熱源の温度が高い程、暖まった空気は勢いよく上に登るため、冷やされた空気は同様に勢いよく下りてきます。
この現象を、コールドドラフトと言います。
加えて、この冷たい場所に触れるとって現象、外部に面した部分に限りません。
各室暖房の場合、隣の部屋や廊下など接しているエリアが暖房していなければ、暖房しているLDKなどとは、外気までは言わずとも温度差があります。
その温度があれば、空気は動き始めます。
だから、対策するには温度差が極力小さくなるような空気循環方式も必要です。
家の中で気流を感じない状況を作るには、
気密性、断熱性、そして各室の温度差を小さくするための空気循環方式。
ここまで必要です。
加えて、エアコンで暖房をするのであれば、エアコンの風が直接人に風が当たらない工夫も必要です。
冬に住まいの中で、風を感じない状況をつくれるという事は、それだけでもう、必要十分な住環境性能を持たせられていると言えるかもしれません。
そんな家のデメリットは、夜に映画見ながら床で寝落ちしてしまう事。
夏はそんな事ほとんどないのに、冬になると寝落ちが多くなる私。
最近、腰が痛いです。
hiroyuki