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つくり手の言葉

何帖用のエアコンが最適かメーカーは判断できない・・・

雪が降ったかと思ったら、来週には春到来の天気予報、アップダウンが目まぐるしい季節。

でも、ダウンからライトアウターに変わる日が増えてきて、気分がいいですよね。

もうちょっとしたら、最低気温2度以下の日が殆ど無くなるので、浴槽のお湯をためておかなくてもOKな時期になります。

さて今日は、エアコンについてのお話。

以前からよく耳にしていたのですが、住宅への設置エアコンの帖数をメーカーに聞く建築業者が結構あるって話。

あれ、本当らしいです。

皆さんは、エアコンを製造している、パナソニックや、シャープ、富士通、三菱電機、ダイキンなどのメーカーに、聞けば、何帖用のエアコンを設置すればいいか聞いたら、帖数を回答してくれると思いますか?

基本的に6帖間であれば、6帖用、10帖間であれば10帖用と回答するはずです。

これは、家電量販店でも同様です。

ただ、皆さんは、エアコン1台で冷房したり、暖房したりする住宅の存在を知ってしまっていますよね。

それに合わせた、回答をメーカーはもっていないの?と思ってしまいます。

しかし、そんな回答持っていないのです。

今、エアコンに書いてある帖数設定が60年前の無断熱住宅が中心の時期に決められたというのは、最近よく聞くようになりました。(調べても団体名とか見つからないのですが・・・)

その間に、住宅性能も変りました。

でも変わったのは一部、まだまだ無断熱に近い住宅も山のように存在しています。

つまり、メーカー側は基準を変えることも儘なりません。

そこに合わせ続けるしかないのです。クレーム対策として。

そのクセ、上は上で性能はあっても、使い方がバラバラで、メーカーが想定している居室内設置を超えて、屋根裏やら床下やらに設置し始めている訳です。

勝手にやっていてくれれば、別に見て見ぬふりをしていればいいのですが、中には訳の分からない質問をしてきたりします。

「床下に壁掛けエアコンを設置して、家全体を暖房したいのですが、何帖用を選べばいいでしょうか?」

メーカーが、「知らんわ!!」って回答になるのも良くわかります。

そもそも、そんなつもりで作っている機械じゃないんですから。

更に、厄介者が、「エアコンで暖房しても暖まらない」ってアフターサービスに怒りの電話をしてきて、いざサービスマンが伺ったら、床下設置。

完全に床下に入れてしまって、近くに点検口もなく、床下を這って点検させられた上に、エアコンの目の前に基礎の立ち上がり。

「そんなもん、どうしろと・・・」メーカー対応不可とするしかなかったそうです。

これ、サービスマンから聞いた話。。。

床下エアコンという、言葉が出回った直後、知識も想像力もなく、ただ床下に見様見真似でエアコンを設置た設計者がかなりいたそうで、その結果、大ごとに。

エアコンの選定というのは、どんな地域の、どんな性能の建物に、どんな場所に、どんな目的で設置するかによって、必要な能力が変わることは、以前、

で書きました。

それをメーカーさんが把握するなんて不可能です。

だから、全館空調など、エアコンを特殊な使い方にする場合は、その設計をする必要がるんです。

設計するためには、エアコンの特性を知らなきゃいけないし、空気と熱の動きを考えなければいけません。

設計しても、施工が伴わなきゃいけませんしね。

「それなら、やればイイじゃん。」と思われるでしょう。

その通りなんですが、それが簡単にできるようなら、こんなに寒い・暑い家ばかりにならないハズですよね。

そこが、興味深い所ではあるのですが。

ちなみに、個別空調としてエアコンを設置する場合に、エアコン選定してくれる人がいない」って場合は、大手電力会社9社を始めとする電力業界の資金提供により運営されている電力中央研究所というシンクタンクが、エアコン選定ツールをインターネットにて公開しています。

このプログラム、部屋の位置・帖数、希望設定温度とかクリックしていくだけで、簡易的なエアコンの大きさを提案してくれます。

エアコン選定ツール ASST

https://criepi.denken.or.jp/asst

更に、効率的にエアコンを断熱リフォームなどと組み合わせたい場合は、やはりプロの出番なので、建築会社さんに相談してくださいね。

あ、ちなみに最近、電気リフォーム業者さんが、「帖数設定って60年前の基準なんで、リビング6畳用で大丈夫っす!」って根拠なしに帖数下げて、エアコン効かなくて困るようなケースも増えているようなので、業者選定はお気をつけて・・・

hiroyuki

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