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つくり手の言葉

外注してる会社が大変になる改正が始まりました。

先週、「日中あたたかくなりましたね。」とか言ってたら、4月の雪。

気温が行ったり来たりで、なかなか春服になれないですね。

わたしの自宅も今週は継続して床下エアコンが活躍中です。

さて今日は、まだまだよく聞く、外皮計算しない勢や、耐震等級3要らない勢がなぜ存在するのかについて。

4月に入り、いよいよ建築基準法が改正されました。

住宅の断熱や省エネ性能の最低基準が確定しただけでなく、新築での提出書類の量が増えたり、リフォームでも確認申請が必要な項目が増えたりと、業界的に大きくルールが変わり、ここから半年以上は、検査機関さんは検査量の多さとトラブル対応に追われるのではないでしょうか。

お家を建てる皆さんからすると、法律が厳しくなるという事は、良い面も多いです。

特に断熱については、これまで基準が無かったことで、断熱材の選定バランスが理にかなっていなかったり、そもそも断熱されていなかったり、なんてことが減るかと思います。

それでも、まだまだ外皮計算しない勢ってのは、けっこういらっしゃるようです。

今回の改正にあたり、様々なメーカーや業界団体が、特に省エネ基準達成についてのセミナーを開催していました。

私もいくつか受講してみたのですが、相当の地域工務店さんが対応に追われる不安を抱えているようでした。

そもそも、オースタムのホームページにたどり着くようなマニアックな皆さんは、断熱性能計算なんて、「工務店がやって当たり前」と思われるかもしれません。

もちろんオースタムは、自社で計算してますよ。

でも、実は多くの工務店さんは、まだまだこの計算を外注しているんです。

建材メーカーや、加入しているフランチャイズ、第三者機関など、お金を払えば計算してくれる場所がたくさんあります。

協力業者の営業さんに聞いたら、この外注の割合が多いため、不安視しているんだそうです。

これまでは、「ZEHの補助金を取得したい!」とか、「フラット35Sで金利を下げたい!」など、お客様の要望として依頼があった場合のみ、外注して計算していたのが、これからは全棟計算しなくてはなりません。

費用をお客様から余計に頂く必要も出てきます。

説明しなきゃならない営業さんも大変ですよね。

今までは、それが大変だったから、外皮計算も構造計算も行わないって建築会社が多かったんですから。

更に、計算をどのタイミングでするのか?という問題が発生します。

外皮計算にせよ、構造計算にせよ、「お客様がプランのココ、ちょっと変更したい♡」って言われた時点で、再計算です。

計算を外注している工務店さんは、その変更計算費用をだれが支払うのか・・・という問題が発生します。

と言うか、お客様負担になるんでしょうねぇ。

で、実は省エネ計算については、しなくてもいい逃げ道が存在します。

それが、「仕様規定」です。

地域区分の4地域以南であれば、断熱材、窓、ドア、冷暖房機器、換気設備、給湯機器、照明器具などを決められた仕様で固めれば、省エネ計算をしなくても基準クリア扱いとなります。

なので、まだまだ計算しない(できない)建築会社さんが残り続けるんでしょうね。

上のように、「使う部材の性能が決められていれば、安心じゃないか!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そもそも自社内で温熱環境の計算もできない建築会社が、果たして、部材性能をしっかりと発揮できるだけの精度で施工ができるものでしょうか?

何を使い、どのように施工するか?

それが、提案する建築会社や設計事務所が、お客様の思い描く暮らしを実現する第一歩です。

選択できない時点で、「こんな暮らしになりますよ。」って、話すことすらできないですよね。

もちろん、居住環境や耐震性などに価値を感じていない、建築会社いるでしょう。

しかし、家を建てるご家族でその両方を無視する方は、いないと言い切っても過言ではないハズです。

だから、ちゃんと温熱計算や、構造計算が内製化されている工務店や、設計事務所に依頼するというのは、正しい筋道だと思います。

さて、来週までに現在打合せ中のお客様宅の最終プランの省エネ計算しなきゃ。

変更で最終的に成形なプランに落ち着いたので、ちょっとUa値が良くなりそうです。

hiroyuki

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