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つくり手の言葉
GWも終わりを告げ、5月の通常営業が始まりました。
皆さんは楽しい連休を過ごせましたか?
私は毎年恒例の山中湖キャンプで、不便を楽しんできました。
今年は、2日目が早朝からの雨。
雨を除け、火をおこし、ご飯食べたら、雨の中の撤収作業。
普段の全館空調暮らしが、如何に素晴らしいものか、帰ってくる度に実感できる良い機会です。
さて、オースタムは毎年5月が新年度開始です。
今年は28期。
高気密高断熱住宅に取り組み始めてから、25年の時が過ぎました。
四半世紀って自社のことながら、あらためて凄いですね。
何度もブログには書いていますが、当時はあまりにも特殊な考え方過ぎて、ほとんどの方に伝わりませんでした。
もちろん、伝える私たちの経験、知識なども今から比べれば、足りないものが多すぎました。
それでも、興味を持ってくれた一握りに方々に支えられて、今も工務店として、そして一級建築士事務所として、より快適で安全な住まいをご提案できています。
今オースタムがあるのは、弊社を選んでくれた皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます。
今後も変わることなく、子育て世代のご家族が家に帰って心から安らげる空間を、
子育てが終わった世代のご夫婦が家にいる時間が長くなってもその暮らしがストレスなくあり続けられるような、
歳を重ねたときに、ここに住んでいて良かったと思えるような、
そんな住まいがご提供できるように一層の精進を重ねていきます。
さて、四半世紀が過ぎて、住宅に求めるものは大きく変わりました。
それこそ昔は、どこで建てるか(どのメーカーで建てるか)が重要視され、工務店という存在は、メーカーよりも安く家を建てるための手段くらいにしか見られていなかったように思います。
プランはお客様が決めるものとされ、形状もデザインも、窓配置ですらお客様のご要望に合わせてご提案することが当たり前でした。
しかし、耐震、省エネ、居住環境をより高めて行くとなるとそうはいきません。
当たり前の話ですが、プロとして設計し、計算し、提案することで性能を担保する必要があります。
家を取得するご家族の住宅性能へのリテラシーが高まったことで、より私たちがご提案することの意味が伝わりやすくなりました。
今、オースタムにたどり着いてくれたお客様の多くが、「家に求めるものと」、「家族がどうありたいか」しっかりイメージできているのが、とても凄いと感じます。
家づくりについて、性能、商品、考え方、色々な情報を手軽に得られるようになり、これまで、私たちが面向かって伝えることでしかできなかったことが、AIに聞けば、簡単に回答してくれるようになりました。
とてもいい時代です。
でも、逆を言うと、ほとんどの方が情報を持ちすぎてしまう事によって、全方位的に要求性能が高くなってきているとも感じます。
知ってしまうが故に、それ以外では作りたくない。
結果的に大きく予算が膨れ上がりやすい時代に突入しました。
数年前に、ブログで「今後、住宅の価格は上がるよ。」と雑感を書いた時、お客様の皆さんはあまりピンと来ていませんでした。
物価、エネルギー、人件費、すべてのものが値上がりしています。
そして、リテラシーが高まった結果のグレードアップ、なかなか厳しい時代です。
これまで、日本人の多くは、一定の年齢になったら結婚し、家族をつくり、家を建てて一人前みたいな固定観念がありました。
今やそこに縛られる必要もなくなりました。
だからこそ、絶対に家を建てる必要もなくなったとも言えます。
家を建てるなということでありません。
ナゼ家を建てるかが、ちゃんと考えられる人だけが家を建てる時代になってきています。
家の価格が高くなってきていますが、家の固定資産としての価値は変わりません。
政府としても、長期優良住宅やBELSなど、色んな認証制度を補助金に利用させて、性能的な価値を高めようと進めています。
ただ、それが今後の不動産としての価値にホントウに転嫁できるかは、正直微妙なところ。
もちろん、家で元を取るなんて考え方には無理があります。
しかし、今、家を建てるからには、ロマンが必要です。
住まいに求める具体的なイメージ、ナゼ家を建てるのか。
家は、目的ではなく、手段であるべきです。
家を建てるのがゴールではなく、なにを実現するための家を建てるのか。
実現するために必要な提案をできるのは、どっちに向いている建築会社なのか。
ただ、家が欲しいというだけで取得するには、金銭的なリスクが大きくなってきています。
だからこそ、しっかりと考えて欲しい。
家を建てるからには、幸せになって欲しいです。
何だか、脈絡が無くなってきたので、この辺りで締めます。
高気密高断熱住宅は、一般に認識されるようになりました。
耐震等級3だって同じです。
空調の重要性も今後もっと知られるようになるでしょう。
素材や光、空気、今後もお客様の暮らしについての様々なリテラシーが更に高まって、今以上にとっても素敵な家づくりができるようになるミライが見えます。
ちゃんと対等以上にお話ができるよう、ちゃんと学び続けますし、提案し続けます。
オースタムでお家を建ててくれた皆様、ありがとうございます。
そして、これから出会う皆様、よろしくお願いいたします。
hiroyuki