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つくり手の言葉
うちには12歳になる猫さんが同居しています。
名前は「ししゃも」。
私と沙織さんが家を建てる決意をしたのも、「猫との自由な暮らしをしたい」という思いがきっかけでした。
これから家づくりをして、猫さんと暮らしたいと思っている方も多いと思います。
ただ実は、多くの建築会社さんは猫との暮らしについて、それほど詳しくありません。
猫と暮らしたことがない設計者の場合、
「キャットウォークを作りましょう」
「吊り橋を渡れるようにしましょう」
「帰宅したら窓から迎えてくれるようにしましょう」
など、人間側の理想を形にする提案が中心になりがちです。
一方で犬の場合は、犬種ごとの性格や身体能力、安全配慮、生活動線などの設計ノウハウがかなり体系化されています。
そのため、「犬という生き物が暮らしやすい家」の提案が比較的具体的になっています。
しかし猫は、まだそこまで整理されていません。
人間ではない「猫」という種を家族として迎える以上、安全配慮はとても大切です。
特に知っておいていただきたいのが、キャットウォーク(CW)やキャットステップ(CS)の考え方。
猫は落ちないと思っていませんか?
実は意外と落ちます。
うっかり足を踏み外すこともありますし、多頭飼育の場合は追いかけっこやケンカの最中に落下することもあります。
だからといって、高い場所をなくせば良いわけではありません。
猫にとって上下運動は必須です。
高い場所にいることで安心感を得られますし、落ち着いて休むこともできます。
そのような場所が不足すると、
・カーテンを登る
・家電の上に乗る
・棚の上を占領する
など、人間から見ると困った行動が増えることがあります。
しかしそれは、猫が悪戯をしているのではなく、生態に適した環境が不足しているのかもしれません。
だからこそ、CWやCSは基本的に必要な設備だと考えています。
近年はSNSの影響もあり、
「猫のかわいい姿を見たい」
「ダイナミックな動きを見たい」
という理由から、かなり凝ったキャットウォークを見かけるようになりました。
その代表格が、透明なキャットウォークや透明ボウルです。
下から肉球や箱座りを眺められるので人気があります。
しかし猫は人間ほど視力が高くありません。
透明な床の認識は得意ではありません。
慣れれば使うようになりますが、それは経験や記憶による部分が大きいです。
特に多頭飼育の場合は、追いかけっこやケンカで走り回ることもあります。
その際の転落リスクは確実に高くなります。
下から覗いてみたい気持ちも分かりますが、長く安全に暮らすことを考えるなら慎重に考えたい設備です。
最近増えているのが、吹抜け上部のかなり高い位置に設置されたキャットウォークです。
確かに猫が高所を歩く姿は野性味があって格好いいですよね。
しかし万が一落下した場合のリスクは非常に大きくなります。
また、
・体調不良
・ケガ
・同居猫とのトラブル
などによって動けなくなった場合、飼い主が救助できないケースもあります。
設計段階では元気な時の姿を想像しがちですが、10年後、15年後まで考えることも大切です。
安全面を優先するなら、極端に高い場所への設置は控えた方が良いでしょう。
ちなみにCSは、高さや配置を間違えると使ってくれません。
猫には猫なりの移動ルートがあります。
どこへ行きたいのか。
何のために移動するのか。
どこで休みたいのか。
人間の生活動線を考えるのと同じように、猫の生活動線も考える必要があります。
単純に見た目だけで配置してしまうと、ほとんど使われない設備になってしまうこともあります。
安全面でぜひ知っておいていただきたいのが熱源事故です。
意外と多いのが、
「猫のしっぽがコンロの火に触れてしまった」
というケース。
場合によっては火災につながることもあります。
ガスコンロを使用する場合は、キッチンを物理的に区切るという考え方も有効です。
IHの場合は直接火が出ませんが、
・タッチ操作で電源が入る
・加熱後も天板が高温になる
といったリスクがあります。
猫がキッチンに上がるご家庭では、
・鍋を置きっぱなしにしない
・チャイルドロックを活用する
・コンロカバーを使用する
などの対策がおすすめです。
今回は落下事故や熱源事故についてお話しました。
しかし実際には、
・誤飲
・巻き込み事故
・中毒
・脱走
・閉じ込め
など、猫との暮らしにはさまざまなリスクがあります。
考え方としては、小さなお子さんがいるご家庭に近いかもしれません。
見た目だけではなく、
人との関係
飼育頭数
猫同士の相性
年齢
健康状態
そういったことも含めて住まいを考えることが大切です。
あ、ちなみに私、「猫との住まいアドバイザー」の認定資格を持っています。
そして猫との暮らしで忘れてはいけないのが温熱環境。
猫は人よりも留守番時間が長いですから、
高断熱・高気密
計画換気
適切な空調設計
は非常に重要です。
人も猫も快適で健康に暮らせる住まい。
そんな住まいづくりをご提案できればと思っています。
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栃木県宇都宮市を中心に、高気密・高断熱住宅を手掛ける株式会社オースタム。
住まう人だけでなく、一緒に暮らす猫や犬たちにとっても快適な住まいづくりをご提案しています。
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