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つくり手の言葉
先日の真夏日続きで、皆さんエアコンをフル稼働したせいか、エアコントラブルのご相談が例年よりも早く始まりました。
協力業者の電気屋さんも各所から相談が相次ぎ、かなり予定が埋まっているようです。
弊社にも住宅だけでなく店舗からのご相談もちらほら。
取替まで少しお時間を頂いてしまいましたが、その後の気温が例年並みに落ち着いたので、何とか急場をしのぐことができました。
本格的な夏が始まる前にリスクを解消できたのは、不幸中の幸いだったかもしれませんね。
さて、今日はエアコンのお話です。
以前は、
「冬を暖かく暮らしたいから高性能住宅にしたい」
というご相談が多かったのですが、最近は、
「夏が暑すぎるので何とかしたい」
という理由で高性能住宅を検討される方も増えてきました。
確かに、今の日本の夏はエアコンなしでは暮らせません。
快適な住まいを考えるなら、夏と冬の両方を考える必要があります。
以前のブログでも書きましたが、冬の快適性は断熱や気密だけでは決まりません。
暖かくても湿度が低すぎれば、
という問題が起きます。
だからこそ、冬は湿度管理が重要です。
では夏はどうでしょうか。
一般的な住宅やオフィスでは、
「エアコンがガンガン動いて湿度も下がっている」
というイメージがありますよね。
そのため、
「高性能住宅ならもっと快適なのでは?」
と思われる方も多いと思います。
ところが実際には、高性能住宅ほど夏の湿度対策が難しくなります。
これは高性能住宅に真面目に取り組んでいる建築会社なら、一度は必ず向き合う問題です。
その問題とは、
湿度が下がらないこと。
です。
高断熱高気密住宅は保温性が高い住宅です。
もちろん冷房にも同じことが言えます。
例えばエアコンを26℃設定にした場合。
住宅性能が高いと、室温は比較的早く26℃まで下がります。
するとエアコンは、
「もう十分冷えた」
と判断し、出力を落としたり停止したりします。
ここで問題になるのが除湿です。
エアコンは熱交換器を冷やし、その表面で結露を発生させることで除湿しています。
結露した水はドレンホースから外へ排出されます。
つまり、
エアコンがしっかり運転している時しか除湿できません。
室温が下がり、コンプレッサーが止まると熱交換器も冷えなくなります。
すると結露が起きず、除湿も止まります。
結果として、
という状態が発生するのです。
これを一般的に
サーモオフ
と呼びます。
高性能住宅の夏は、このサーモオフ対策がとても重要になります。
最も分かりやすい方法です。
エアコンが除湿しないなら、別の機械で除湿すれば良いという考え方ですね。
ただ、日本の夏は非常に湿気が多く、30L/日近い除湿量が必要になることもあります。
タンクの水捨ても意外と大変です。
エアコンの温度検知部分に熱がかかるようにして、
「まだ暑い」
と勘違いさせる方法です。
ただし、エアコンが止まりにくくなるため室温も下がりやすくなります。
壁掛けエアコンの場合、冷風が直接当たり続ける環境になることもあります。
希望室温より低めに設定して運転時間を伸ばす方法です。
エアコンが長く動くため除湿量は増えます。
ただし②と同じく、冷えすぎる場合があります。
ここが設計者の腕の見せ所です。
エアコンに余裕があり過ぎるから止まります。
逆に言えば、建物の熱負荷とエアコン能力を近づければ、サーモオフを減らすことができます。
そのためには、
などを踏まえて冷房負荷計算を行う必要があります。
その上で、エアコンの機種選定を行い、バランスをとります。
オースタムでは設計段階で④を行っています。
そのうえで、実際の気象条件によっては③の運用もお願いしています。
ただし、オースタムの住まいは間接空調を採用しています。
一般的な壁掛けエアコンのように冷風が直接身体へ当たり続けるわけではありません。
建物全体を使ってゆっくり除湿を進めていくため、一時的に設定温度を下げても体感温度の変化が比較的穏やかです。
このあたりは文章で説明するより、実際に体感して頂く方が分かりやすいかもしれません。
7月4日の体感見学会では、この夏の湿度対策も体感して頂けます。
ご興味のある方はぜひご予約ください。
今回は少しマニアックな内容になってしまいました。
最後まで読んでくださった方、どれくらいいるでしょうか(笑)
でも、高性能住宅を語るうえで、
「温度」
だけではなく、
「湿度」
まで考えることはとても重要です。
夏の快適性は、断熱材の厚みだけでは決まりません。
実際に暮らし始めた後の空気の質まで考えてこそ、本当の意味での快適な住まいになるのだと思います。
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オースタム
代表 鈴木博之